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筋肉痛でも筋トレをしていいの?早く治すため・回復のためのマッサージを写真で紹介します!

こんにちは。現役理学療法士のNatsumiです。

ある程度筋トレを続けていると、筋肉痛について周りの人から色々と質問されるようになりますよね。

筋肉痛について聞かれたら、どう答えますか?
  • 筋肉痛の時に筋トレをしても大丈夫なの?
  • 筋肉痛にならないと筋トレは意味ないの?
  • 筋肉痛が遅れてくるのは年を取ったから?
  • 乳酸が筋肉痛と関係あるって本当?
  • どうやったら筋肉痛を早く治すことができるの?

トレーニングと筋肉痛は切っても切り離せない関係にあるわけですが、もし上記のような質問をされたら、なんと答えるでしょうか?

我々トレーニーにとって筋肉痛は身近なものですが、筋肉痛に関する正しい知識はそれほど広がっていないと感じます。

筋トレ好きの方であれば、筋肉痛になることで喜びを感じる方も多いと思いますが、筋肉痛は、時に日常生活に影響を及ぼすものです。

特に脚トレ後の激しい筋肉痛で仕事や日常生活に支障が出てしまったことは誰もが一度は経験しているはず…(私は、勤務中に患者さんをベッドから車椅子に乗せるために下肢を踏ん張った時に、ハムストリングスが少し痙攣し痛みを伴ったことがあります。)

筋肉痛の時は、さらに強い負荷が加わることでケガに繋がってしまう可能性もあるのです。

そこで今回は、筋肉痛について深く掘り下げ、生活やトレーニングを継続できるように上手く付き合う方法を解説していきます。冒頭の質問に対する答えにも触れていますので、是非チェックしてみてください!

筋肉痛は2種類ある。筋トレで起こる筋肉痛は「遅発性筋肉痛」です。

筋肉痛には、急性と遅発性の2種類があると考えられています。

急性筋肉痛

急性は言葉の通り、運動中や運動直後に生じます。急性筋肉痛については、きちんと説明しているものが無かったのですが、筋肉がパンプした時に感じるような痛みと考えられます。

それ以外に、ズキズキしたり動かせなくなる程の痛みでしたら、筋肉痛ではなくケガの可能性が高いので勘違いしないようにしなければなりません。

遅発性筋肉痛

遅発性はDOMS(Delayed Onset Muscle Soreness:遅発性筋肉痛)を表していて、私たちが一般的に筋肉痛と呼んでいるのは、こちらのDOMSです。

英語にすると堅苦しくなるので、この記事ではDOMSを筋肉痛としてお話します。

筋肉痛とは

筋肉痛は、運動8~24時間後に出現し、24~72時間後にピークとなり、3~7日で消失するとれさています。

筋肉痛は基本的に、運動や筋肉の圧迫によって痛みが再現され、何もしていない間は痛みが出ません。

そして、特別なケアをしなくとも1週間も経てば痛みが自然に無くなるので、本人だけでなく、医療者やスポーツ関係者も大事として捉えにくいことが多いです。

しかし、心理的なストレスになりやすいとされています。

筋肉痛の原因は「ネガティブ動作」にある!

筋肉痛は、不慣れな運動や高強度の運動によって引き起こされやすいとされています。

その中でも筋肉痛に対して研究した論文の多くは、筋肉痛を作るために伸張性収縮(Eccentric Contraction:ECC)による運動形式によって筋肉痛を出現させています。

伸張性収縮とは

筋が収縮しながらも引き延ばされるような運動であり、トレーニーの間ではネガティブ運動(収縮)といわれている運動のことです。

例としては、

  • ベンチプレスの時にバーベルを下す時の大胸筋の収縮
  • スクワットで下がる時の大腿四頭筋・大殿筋の収縮
  • 懸垂で下がる時の広背筋の収縮

などがあります。

ちなみに私が体験した、「患者さんをベッドから車椅子に乗せるために下肢を踏ん張ったら、ハムストリングスが少し痙攣し痛みが出た」は、患者さんを落とさないように、患者さんを持ち上げなければならないので、ハムストリングスは伸張性収縮の状態にありました。

この伸張性収縮が繰り返し行われると、筋肉は微細損傷しやすくなります。

筋肉が微細損傷したことで引き起こされる痛みをEIMD(Exercise Induced Muscle Damage:運動誘発性筋損傷)と言いますが、EIMDが筋肉痛を引き起こす主な原因とされています。

つまり、筋肉痛の原因は、伸張性収縮によって筋肉が微細損傷した結果の痛みと言えます。

また、これまでに検証された筋肉痛のメカニズムには筋肉の微細損傷の他に、乳酸、筋痙攣(こわばり)、結合組織損傷、炎症といった5つの理論が提唱されてます(Cheung K, 2003)。

そして、現時点ではトレーニングによる過度な機械的刺激(特に伸張性収縮)が筋肉を損傷し、筋タンパク質の分解を促進するとともに、炎症および代謝産物を流出させることによって筋肉痛が発症すると考えられています(Rahimi MH, 2017)。

著:庵野拓将 科学的に正しい筋トレ 最強の教科書より一部抜粋

補足ですが、なぜ痛みを感じるのかというと、筋肉の微細損傷、結合組織損傷による炎症によって痛みの原因となるブラジキニンやプロスタグランジンという物質が放出され、それを神経が感知するためです。

筋肉は数千にも及ぶ筋繊維がありますが、筋繊維の束は筋膜と呼ばれています。筋繊維自体は痛みを感じる神経が無く、痛みを感じる神経は筋膜に分布しています。

筋肉痛は身体だけでなく心理的ストレスも招きます。

筋肉痛が発症している間は、筋力の減少とともに、関節の可動範囲が狭まり、運動のパフォーマンスが低下します。(De Marchi T, 2017)。

考え方の補足

・筋力の減少というのは、筋肉が少なくなった状態では無く、痛みによって力が出にくくなる状態です。

・関節可動域制限は、筋肉痛の時にストレッチや柔軟を行うと痛くて、筋肉痛の無い時と比べて動く範囲が少なくなりますよね。また、少し動いたでけで筋肉痛が出ると、いつもより動くスピードが遅れたり、動きが縮こまってしまいます。この様な状態を関節の(運動の)可動域が狭まると言います。

・パフォーマンス低下は言うまでもなく、筋肉痛によって筋力が出しにくくなり、関節可動域も狭まれば、動きの質が下がります。

筋肉痛という名の通り、痛みによって身体が受ける影響は大きいです。

筋肉痛は身体に影響を与えるだけでなく、心理的ストレスも招きます。

いくら筋肉痛があると嬉しくなるトレーニーと言えど、動くたびに痛みを感じるのは少し億劫です。

痛みは生体の防御反応の一つなので、「これ以上動くと危ないぞー。」と脳に指令を出します。つまり脳もストレスと感じている可能性があります。

筋肉痛の疑問点を解説!筋肉痛でも筋トレをして大丈夫です。

筋肉痛の時に筋トレをしてもいい?

結論から言うと、筋トレはしても良いです。

しかし、良いパフォーマンス(総負荷量、質の向上)は難しいと割り切って行う必要があります。また、オーバートレーニングやケガには十分に気を付けて行って下さい。

筋肉痛の際は、筋肉は前回のトレーニングで受けたダメージを頑張って治そうとしています。そこに更なる伸張性収縮を加えると、筋肉の損傷を悪化させる可能性があります。

可能であれば筋肉痛とは他の部位のトレーニングを行うことをオススメします。(ある程度トレーニングを重ねている人が部位を分けて筋トレする理由はここにあります。)

他の部位のトレーニングでも、全身の循環改善に繋がるため、筋肉痛の緩和に繋がります。

筋肉痛の時に筋肉痛を感じている場所をトレーニングすることのメリットもあります。

それは「筋収縮の意識がより強く行える」ことです。ピンポイントで筋収縮を狙いたい(三角筋後部など)時など、フォームの確認に重点を置いて行うと良いトレーニングになると考えます。

筋肉痛になるまでトレーニングしないと筋肥大はしないの?

筋肉痛になるまでトレーニングをしなくとも筋力増強・筋肥大はします!

少し大げさですが、運動不足の人はストレッチを行っても筋力は増強します。普段の生活より少しでも筋肉を刺激すれば、その分の筋力増強・筋肥大は起こるのです。

山本義徳さんは、筋肥大の仕組みから、現状の筋力を100とした時に101の刺激を与えることで筋肉が肥大すると説明しています。

これについては、前回の超回復の記事でも触れていますので、よろしければご一読下さい。

超回復の嘘と本当。筋トレとの相性は?超回復の正体はグリコーゲンの回復だった!

筋肉痛は歳をとると遅れて出てくるの?

実際に年配の方に窺うと「若い時よりも遅れて筋肉痛になる。もしくは筋肉痛にはならない。」と話される人が多いです。

しかし、その方々がどのようなトレーニングを行っているのかというと、有酸素運動や負荷の軽い筋トレをゆっくりと行っている場合がほとんどです。

つまり、筋肉痛になるほどの負荷をかけず、速筋より遅筋を使用する内容のトレーニングを行っています。

速筋・遅筋とは

速筋と遅筋を簡単に説明します。

速筋は白筋繊維とも呼ばれ、瞬発力が求められる時に収縮する大きな筋肉に多いです。(陸上競技で言えば短距離走の選手は速筋が発達しており、マッチョな選手が多いです。)

遅筋は赤筋繊維とも呼ばれ、持久系の収縮に適しています。赤筋はゆっくりとした動き、長い時間の運動への耐性が優れているため、筋肉痛になりにくいと言えます。(陸上競技で言えば、長距離走の選手は遅筋が発達しています。スラッとした細身の選手が多いです。)

では、実際に筋肉痛が出現するけれど、若い時よりも遅れてくるというのはどういう事なのか?

それは、普段十分に筋肉を刺激していなかったため、筋肉の循環反応が鈍くなってるためです。

運動不足の筋肉は、筋肉が少ない分、酸素や栄養が筋肉へ行きわたりにくくなっており、筋の微細損傷を回復する反応が低下します。

反対に定期的に負荷をかける運動をしている方は、筋の回復をすばやく行える循環環境になっているので早く筋肉痛が来ます。

つまり年齢よりも、いかに普段筋肉を使用していて、筋肉内で良い循環が出来ているかがポイントとなります。

筋肉痛が遅くなったように感じたら、「歳をとった」では無く「運動不足」と理解しましょう。

乳酸が筋肉痛と関係あるって本当?

かつては乳酸が蓄積すると筋肉痛・筋疲労が起こると考えられていました。(今もそう思っている人は多いですが…)

しかし、現在は研究によって「乳酸は運動の際に筋肉でブドウ糖が失われたことで出現するが、筋肉で再利用されたりして比較的短時間で乳酸は消失するため、筋肉痛の原因とは言えない」としています。

運動を行うと、エネルギー源となる炭水化物のうちの糖質(グリコーゲン)がブドウ糖へと変換されます。

そして、ブドウ糖が筋収縮を行うために必要なATPへと更に変換されます。

その時にATPと一緒に乳酸が生成されるのです。

乳酸が生成される過程で水素イオンもは発生しますが、この水素イオンにより身体がわずかに酸性に傾くことや、筋肉の中の糖質(グリコーゲン)が不足することで疲労感が出現するとも言われています。

あくまでも、筋肉痛の原因は微細な筋損傷の結果であり、乳酸は悪者ではありません。

筋肉痛を早く治す方法は「マッサージ」です。

筋肉痛が回復していない場合、トレーニング中の総負荷量やパフォーマンスを十分に高めることができません。そのため、筋肉痛を予防・改善するためのアフターケアが重要になります。

Torresらによるトレーニング後のアフターケアの研究

Torresらは、2011年までに報告された35の研究報告をもとに、マッサージ、寒冷療法(アイシング)、ストレッチ、軽い運動による筋肉痛の痛みと筋力への改善効果について検証しました。

その結果、筋肉痛による痛みの改善効果では、マッサージがもっとも効果的でありトレーニング後24時間で痛みの改善効果が認められました。また、寒冷療法による改善効果がトレーニング48時間と72時間で認められましたが、データの異質性(バラツキ)が大きい結果となっています。ストレッチ、軽い運動による痛みの改善効果はありませんでした。

※リハビリmemo 筋肉痛に有効なアフターケアの最新エビデンス より一部引用https://www.rehabilimemo.com/entry/2018/08/30/140233

筋肉痛にマッサージが効果的な理由は循環(血流)改善と筋の緩み(張りを解く)によるものです。

研究結果からマッサージが最も効果的とされているので、最後に筋肉痛に有効なマッサージの方法をご紹介します!

運動後に行うマッサージ(筋肉痛の予防)

筋肉痛の予防として、運動後に手のひら全体を使って軽く揉むマッサージを紹介します。

筋肉痛となる場所は、筋肉が微細損傷しています。そこを強く揉みすぎると損傷・痛みの悪化を引き起こしてしまう可能性があります。

そのため、手のひら全体を使って筋肉に少し圧がかかる程度の軽い力で小さな円を描くように揉む・少しずつ上下に擦るマッサージが適切です。親指の腹を使って強く押すような指圧はオススメしません。

また、マッサージを行う時の姿勢は、なるべく筋肉が緩んでいる状態でマッサージした方が効果的なので、太腿の前なら膝は伸ばす、太腿の後ろやふくらはぎなら膝は曲げて行いましょう。

【太腿の前のマッサージ】膝は伸ばして、親指の付け根(母指球)に軽く圧を加えてマッサージしましょう。

【太腿の前のマッサージ】膝は伸ばして、親指の付け根(母指球)に軽く圧を加えてマッサージしましょう。

【ふくらはぎマッサージ】膝は曲げて行います。親指が足首を向くように手を添えると、手のひらを使ってマッサージしやすくなります。

【ふくらはぎマッサージ】膝は曲げて行います。親指が足首を向くように手を添えると、手のひらを使ってマッサージしやすくなります。

【太腿の後ろマッサージ(フォームローラー使用)】

【太腿の後ろマッサージ(フォームローラー使用)】

【ふくらはぎマッサージ(フォームローラー使用)】

【ふくらはぎマッサージ(フォームローラー使用)】

マッサージのポイント

・手のひら全体を使い、軽く圧をかけて揉む。

・太腿の前なら膝は伸ばして、太腿の後ろやふくらはぎなら膝を曲げて行う。

・揉みにくい場所や、手が疲れる場合はフォームローラーの使用もオススメ

また、アイシングもデーターにバラツキがあるものの、効果があるようです。アイシングの方法については、以前別記事でまとめたものがあるので参考にして下さい。

アイシングの効果があるやり方を理学療法士が伝授。ケガを早期回復!

筋肉痛になったら行うマッサージ(筋肉痛の改善)

洗体中に石鹸で擦るマッサージをすることで筋肉痛の改善を期待することができます。

方法は簡単で、筋肉痛が気になる場所を石鹸がついている状態で擦るだけです。

石鹸がついていると皮膚との摩擦も少なくなり、滑りが良くなり、楽にマッサージが行えます。

また、筋肉痛を感じ取っている筋膜に近い部分が効率よくマッサージができます。

まとめ:筋肉痛と上手く付き合って、理想の身体に近づきましょう。

一部、難しい内容となってしまいましたが、筋肉痛についての理解は深まったでしょうか?

確認の意味で、冒頭にあげさせていただいた質問とその回答をまとめておきます。

筋肉痛についてのQ&A

Q:筋肉痛の時に筋トレをしても大丈夫なの?

A:大丈夫ですが、パフォーマンスが落ちるのでオーバートレーニングに注意しましょう。他の部位をやるのがお勧めです。

Q:筋肉痛にならないと筋トレは意味ないの?

A:筋肉痛にならなくても筋肥大は起こります。ただ、1つの目安にはなるので軽く筋肉痛がくるぐらいが良いでしょう。

Q:筋肉痛が遅れてくるのは年を取ったから?

A:筋肉痛と年齢の関係は、運動の種類や運動習慣によって出現の早さが変わっているだけです。歳をとったから遅くなるわけではありません。

Q:乳酸が筋肉痛と関係あるって本当?

A:乳酸は筋肉痛が出現する頃にはすでに消失しています。乳酸は悪者では無く、筋収縮に必要な物質です!乳酸のせいで筋肉痛や疲労が出ている考えはもう古いのです。

Q:どうやったら筋肉痛を早く治すことができるの?

A:予防・緩和したい方は、トレーニング後のマッサージが最も有効であり、入浴中に石鹸で擦るだけの簡単なマッサージでも効果的です。

筋肉痛を知り尽くし、上手く付き合えるようになることでトレーニングの質も上がること間違いありません。

みなさん良いトレーニングライフをお過ごしください!