こんにちは!小川( @result_blog )です。
新潟県見附市という人口4万人の地方都市で、パーソナルジム「CLASSIC GYM」と女性専用24時間ジム「ココカラジム」を運営しています。
この記事は「これからパーソナルトレーナーとして独立したい」・「すでに開業したけれど、うまくいかない」という方に向けて書きました。
僕は非トレーナー出身のジム経営者で、2021年に「ノリと勢い」でパーソナルジムを開業して、数えきれないほどの失敗をしてきました。
赤字続き、トレーナーの離脱、ビジネスモデルの崩壊。。。
その経験から逆算して見えてきた「失敗しないための考え方」を6つにまとめました。
独立前は誰もが「お客様のために」と思っているはずです。
でも、開業して半年もすれば資金繰りに追われ、「回数券の売り込み」「過度な食事制限」など、売上のために魂を売る経営に染まってしまう人もいるでしょう。
でも、それはあなたが悪いのではありません。
「指針となる価値観」と「価値観に基づいた仕組み」を持たずに開業してしまったからです。
僕が地方で嘘をつかずに利益を出し続けている「6つの価値観」を公開します。
地方でジム経営をしているリアルな視点から、参考になる部分があれば持って帰ってください。
目次
なぜ、未経験でパーソナルジムを開業することをおすすめしないのか?

本題に入る前に1つだけ。
筋トレが好きなことと、人に教えるのが得意なことは全くの別物です。
「好きだから」「自分にもできるはず」という気持ちでトレーナになった結果、想像以上のギャップに苦しむ人を何人も見てきました。
トレーナーになるなと言いたいわけではありません。ただ、いきなり本業にするのではなく、まずは副業からスタートすることをおすすめします。
トレーナーをやってみたいと考える方の多くは本業がある状態で筋トレにハマり「これは素晴らしい!自分も人に伝える側になってみたい!」と思って転職を考えます。
でも、そこには大きなリスクがあります。
業界未経験での転職は、これまで積み上げたキャリアを捨てることとなり、多くのケースで「年収が下がり」・「労働時間が長く」なってしまいます。
しかも、実際にトレーナーとしてお金をいただきながら人に教えることをした時に「自分で筋トレをやるのが好きなだけで、人に教えるのは向いてないかも…」と感じる方も多いのです。
(友人に筋トレを教えるのと、お客様にお金をいただきながら教えるのも全くの別物です。)
パーソナルトレーナーという仕事を本気でやるのであれば、自分自身が本気で筋トレに向き合うのと同じ熱量で、人に筋トレを教えることができなければいけません。
自分では「できる」と思っていたとしても、実際にやってみると「違った」と感じるケースはかなり多いのですが、自分自身がどう感じるかは実際にやってみないとわからないのです。
僕の肌感覚では、この資質を持っている方はかなり少ないです。
残念ながらキャリアは一方通行なので、本業として転職した後に「違った」と思っても元に戻れません。大宮時代、実際にこのパータンで苦労している友人を何人も見てきました。
取る必要のないリスクは取らない方が良いでしょう。
独立してパーソナルジムを開業する場合でも、全く同じことが言えます。
勢いで開業して無駄な失敗をする必要はないと考えます。
フィットネスから受けた恩義を、正しい形で社会に還元する
これまでのCLASSIC GYMの歴史は上記の記事でまとめています。
CLASSIC GYMは2021年7月に新潟県見附市という田舎で始めたパーソナルジムですが、最初は「トレーナーをやらないこと」にこだわっていました。
その理由は「筋トレを仕事にしたくなかったから」です。
好きだからこそ守りたいというか、仕事にしてしまうことで失うものがありそう…と思うと勇気が出なかったのです。
大宮のゴールドジム時代に「すごい人」は山ほど見ていたので「自分なんかがトレーナーを名乗ってはいけない」とも思っていました。
「好きなことを仕事にする」のは憧れますが、純粋に楽しいだけではいられなくなるのが怖かったのです。
ずっと、そんな気持ちでいたのですが分かれ道は突然やってきました。(上記で共有した記事)
葛藤はありつつも覚悟を決め、2023年10月に僕は「パーソナルトレーナー」になりました。
それからは、とにかく必死でした。
筋トレに人生を救ってもらったと思っているからこそ、中途半端なことはできないと本気で作りこみました。
試行錯誤を経て今の形が出来上がっているのですが、結局、どういう想いを大切にしているかというと
「フィットネスに救われた恩義を、正しい形で社会に還元したい」
これです。
「正しい形」には色々な定義があると考えますが、僕自身が現在進行で考える「正しい形」を形にしたのがCLASSIC GYMでありココカラジムです。
自分自身の価値観をふんだんに盛り込んだからこそ、今は自信を持って「パーソナルジムをやっている」と言えます。
僕だからこそ作れた、僕じゃなきゃ作れなかった形です。
「売上のために魂を売らない」ための6つの価値観

僕が大切にしている価値観は6つあり、すべてを成り立たせられるようにビジネスモデルを組み立てています。
共感いただけるものが多い方は、うちのやり方が合っていると考えます。
1. 本質主義 – 基礎的で普遍的なものを大切に
「100年後も価値があるか?」
これがカリキュラムを作る時の判断基準です。
流行のトレーニング法や、SNSで話題の特殊なメソッドではなく、人間が人間の体で生きる限り価値のある、基礎的で普遍的な内容を大切にしています。
具体的には骨格タイプに基づいたフォーム指導と、100ページ超の食事管理カリキュラムが軸です。派手さはないですが、お客様の骨格に合った正しいフォームと、自分で食事管理ができる知識の2つは、10年後も20年後も価値が変わらないと信じています。
食事指導で伝える内容も、運動指導で伝える内容も、本気で筋トレをしている人なら「当たり前のこと」だと思うでしょう。
でも、その「当たり前」が世間一般では当たり前ではないのです。
CLASSIC GYMでは我々にとっての「当たり前」を分かりやすく体系化し、日々の生活に落とし込んでいただくためのカリキュラムに仕上げました。
当たり前のことを当たり前にできるようになっていただけるからこそ、多くのお客様に成果を出していただけています。



必要なのは特別なノウハウではなく、本質的な内容を丁寧にお伝えし、1つずつ身に着けていただくことです。
2. 相互利益 – お客様・スタッフ・会社、誰も犠牲にしない
「お客様のため」と言いながら自分が疲弊する。「売上のため」と言いながらお客様に不要なサービスを勧める。どちらも長続きしません。
「相手のためになることが、結果的に自分のためになる」
これが僕の基本的な考え方であり、「誰かを犠牲にしない設計」にすることを気を付けています。
お客様には適正な価格で効果のあるサービスを提供する。スタッフにはセッションだけに集中できる環境を用意し、集客やSNS更新は一切求めない。そして自分は経営者として持続可能な利益を確保する。
うちでは24時間ジムの安定収入で人件費をカバーする構造にしているので、トレーナーに「売上を上げろ」というプレッシャーをかけずに済んでいます。この3者のバランスが崩れた瞬間に、事業は内部から壊れ始めます。実際に僕はそれを経験しました。
会社の財務が安定しているからこそ、お客様に全力でサービスを提供できます。
ビジネス的には「トレーナー依存型」の方が良いかもしれませんが、お客様が自立して、自分で身体作りができるようになることの方が大切だと考えているので、持ちうる全てを全力でお伝えしています。
お客様が「もう学ぶことは何もない」となっても良いという覚悟で、本気でお客様に向き合うだけです。
相互利益というのはお客様とトレーナーの関係性だけなく、CLASSIC GYMで働いてくださるトレーナーさんと僕の関係性でも必須です。
誰かの犠牲の上で成り立つ幸せは長くは続きません。
表から見えるのは「お客様向けの話」だけだと思いますが、働いてくださるトレーナーさんにとってメリットを感じていただけるような仕組みを作り込んでいます。
現在、副業として働いていただいている方からは「とても働きやすい環境」という言葉をいただいております。

一般的に「パーソナルトレーナー」という職業はキャリアアップが難しいとされていますが、そこに対する僕の答えもお伝えしています。
3. 誠実 – フィットネスに対しても、人に対しても
僕は筋トレに救われた人間です。
だからこそ、フィットネスに対して誠実でありたいと考えています。
筋トレを嫌いになるようなことはしたくないんです。
僕自身が筋トレを嫌いになることが無いように、お客様に筋トレを好きになってもらえるように、そして、一緒に働いてくれるトレーナーさん達も筋トレが嫌いになることが無いように…と強く意識しています。
そのために心がけていることが「自分が本当に良いと思えるものだけを取り入れる」です。
本気で良いと思っているからこそ全力で伝えられると言いますか、心のどこかで「本当はもっと良い方法がある」と思っていると言葉に魂が乗らないんですよね。
そこをブラさないためのカリキュラムでもあります。
お店によっては売上を伸ばすために物販(店販)に力を入れているところもありますが、うちは全く力を入れていません。(プロテインの販売すらやっていません。)
自社開発のプロテインパンはありますが、予約販売が基本で、トレーナーさんたちには「売るな」と伝えています。
店販は人によって得意・不得意があり、人によってはモノを売ること自体がストレスになるからです。
お客様から「売ってほしい」と言われたら手配するという流れで、ストレスフリーです。
もちろん、ノルマは一切ありません。
この記事で紹介している仕組みはほんの一部で、色々な仕組みを用意しています。
各仕組みは人を管理するためのものではなく、基本思想からブレないようにするための手段=誠実であるための方法論だと捉えています。
4. 適正価格の追求 – 多くの人に知ってほしい
CLASSIC GYMの料金は週1回50分の運動指導と食事指導がセットで月32,780円(税込)です。※4回分の値段
他社と比較すると破格だと思いますし、お客様からも「安い」と言われます。
自信がなくてこの値段にしているわけではありません。
むしろ逆で、絶対的な自信があります。カリキュラムを見てもらえば「そりゃぁ、成果が出るよね」と思ってもらえるはずです。
「多くの人に届けたい」という思いと「事業として成り立つ」のバランスを取った結果の価格です。
僕が独立当初に犯した最大の失敗の1つが「安易な値下げ」でした。値下げすれば人が来ると思ったのですが、むしろ売上は下がりました。
価格は「お客様に約束する価値の大きさ」です。安くすれば来るというのは幻想で、大事なのは「この価格でこの価値」と自信を持って言えるかどうかだと考えています。
5. 再現性への執着 – 「自分だからできる」を排除する
カリキュラムの標準化と、全業務プロセスのマニュアル化。これが僕のジム経営の根幹です。
「自分だからできる」は一見カッコいいですが、経営的には最大の弱点です。自分が現場に出続けないと回らない。休めない。人に任せられない。
僕は過去にトレーナーに事業を丸ごと任せて大失敗した経験があります。教育カリキュラムもマニュアルもない状態で「できるだろう」と思い込んでいました。
その失敗から学び、今はすべてを言語化・マニュアル化しています。
集客はトレーナーの仕事ではなく経営者の仕事と位置づけ、トレーナーにはセッションだけに集中してもらう仕組みを作りました。
1対1でお伝えするサービスだからこそ、多くの方にお伝えするためには「再現性」がカギになると考えました。
「自分だからこそ伝えられる内容」はむしろ排除して、基本からブレないように食事指導と運動指導でカリキュラムの標準化を行いました。
そして、あらゆる業務プロセスで徹底的なマニュアル化を行っています。
基準をクリアしている人であれば誰でも同じ価値を提供できる仕組みが「真の価値」だと考えているからこそ、人に依存するのではなく仕組みで戦う方法を追究しています。
6. 持続可能性 – 焼畑ではなく、全員で勝つ
僕が思う「正しい形」はお客様にとっても、トレーナーさんにとっても「持続できる形」です。さらに会社としても継続できる事業である必要があると考えています。
焼畑農業のように新規を追い続けるビジネスモデルもありますが、高額な広告費をかけて高額な金額をいただくビジネスモデルは地方都市で戦うには相性が悪いです。
お客様への負担が大きいとともにトレーナーさんへの負担も大きくなりがちです。(高額な広告費をかけているので回収しなくてはならず、売りたくないと思っても売らなければいけないなど、色々な話を聞きます。)
無理な売り方をしてしまうと、田舎ではすぐに噂が広がってしまうので、誰も近づかなくなるでしょう。
持続可能な形にこだわるからこそ、誰か一人が負担を背負うことがないように、関わる全員が勝てる仕組みにこだわっています。
お客様には「自分でできると思ったら、いつでも卒業してもらってOKです」とお伝えしており、契約期間の縛りは設けておりません。
自走してもらうことをゴールと設定しているからこそ、トレーナーとして全力でお伝えすることができると考えています。
働いていただくトレーナーさんに対しても「続けられる形」を強く意識しています。
教育カリキュラムを終えたら、まずは「筋トレを仕事にすること」を実際に体験していただきます。
「まず1人だけ担当してみて、やっていけそうなら人数を増やしましょう」という段階的なやり方を取っています。無理をさせない。無理をしない。
実際に体験いただいた後に改めてお話させていただき、続けられそうであれば担当していただくお客様の人数を増やしていくという流れで行っています。
うちで働いてくれるトレーナーさんには「カリキュラムに沿ってお伝えさせていただいた上で、お客様にとって良いと思うことだけを全力で伝えてください。」とオーダーしています。
「セッション中のお客様対応」だけをお願いする形からスタートして「もっとステップアップしたい」と希望される方にはもう1つ上のポジションをお渡しする流れも作っています。
「ポジション」を重視して役割分担をしているので、ご意向をよく聞かせていただき、任せるポジションを選んでいます。
まとめ:独立前にチェックすべきポイント
あくまでも私の価値観ではありますが、6つの考え方を一言でまとめます。
- 本質主義:自分のサービスの「核」は何か、定まっているか
- 相互利益:関わる全員が得をする設計になっているか
- 誠実:「やらないこと」を決めているか
- 適正価格:その価格に自信を持って説明できるか
- 再現性:自分がいなくても回る仕組みの設計思想はあるか
- 持続可能性:10年後も続けられる形になっているか
判断に迷った時、ここに戻ってきます。
自分の中でブレない価値観を持つことが大切だと考えています。
この記事が、独立を考えているあなたにとって少しでも参考になれば幸いです。
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それでは、また!
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