パーソナルジムの料金設定|田舎で料金を4回変えて、たどり着いた「卒業前提」の形

この記事の要点
- 関東のコース制は地方に合わなかった。値下げしても人数は変わらず、売上だけが下がった
- 通い放題は人と枠のバランスが合わず、週1〜2回の形に落ち着いた。単価は人を雇えるかから逆算する
- 売っているのは「ずっと通う場所」ではなく「卒業できるまでの知識と習慣」。囲い込まないほうが選ばれた
料金の決め方で、めちゃくちゃ悩みました。
新潟県見附市でパーソナルジムを始めてから、4年で4回、料金の形を変えています。
高すぎると、お客様が来ない。
安すぎると、続けられない。
その間を、行ったり来たりしてきました。
最初に結論を書いておくと、たどり着いたのは、こういうことです。
悩むべきだったのは、値段ではなく「何を、どんな形で売るか」でした。
この記事では、料金を4回変えた順番に、何がうまくいかなくて、何が分かったのかを書きます。
- 地方でパーソナルジムを開業する、または開業したばかり
- 料金を下げようか迷っている
- コースが終わると、お客様がやめてしまう
そんな人に、読んでもらえたらうれしいです。
1回目:関東のモデルを、そのまま持ってきた
2021年7月に開業したとき、関東で成功しているモデルを、そのまま持ってきました。
「3か月でいくら」という、いわゆるコース制です。
1回あたりにすると、1万数千円の価格帯でした。
結果は、まったくうまくいきませんでした。
理由は、2つあります。
1つ目は、そもそもパーソナルトレーニングという考え方が、まだ地方に根づいていなかったこと。
知らないものに、まとまった金額を先に払う。
その抵抗は、思っていたよりずっと大きかったです。
2つ目は、売上が安定しないこと。
人口3万人の町では、お客様の数が限られています。
1人、2人がコースを終えると、売上がガクッと落ちる。
都会なら次のお客様がすぐ来るかもしれませんが、地方ではそうはいきません。
刈り取って、終わって、また刈り取る。
そういう形になってしまっていました。
2回目:値段を下げてみた
「この値段が、田舎に合っていないんじゃないか」
そう考えて、シンプルに値段を下げてみました。
結果、お客様の数は、ほとんど変わりませんでした。
売上だけが、下がりました。
ここで、ようやく気づきました。
問題は、値段ではなかったんです。
知られていない。
価値が伝わっていない。
そこを解決しないまま値段を下げても、何も変わりませんでした。
3回目:通い放題にしてみた
次は、逆の方向に振りました。
月にいくらで、通い放題。
来る回数によっては、1回あたり3,000円くらいになる形です。
反応は、確かに上がりました。
「通い放題なら、損しない気がする」と感じる方が増えたんだと思います。
でも、別の問題が出てきました。
通い放題は、お客様が「通いたいときに通える」ことが前提です。
つまり、いつ来ても対応できるように、トレーナーを置いておかないといけない。
お客様が来ない時間にも、人を置いておく。
人が集まりやすい都会なら成り立つと思いますが、人口3万人の町では、人と枠のバランスがどうしても合いませんでした。
4回目:週1〜2回、回数を決めて通う形
今は、週1〜2回、回数を決めて通っていただく形にしています。
ホームページでは月額で表記していますが、実際の運用は、回数券に近い形です。
1回あたりにすると、8,000円くらいになります。
この中には、パーソナルトレーニングだけでなく、食事指導も含まれています。
食事の教科書も、毎週の振り返りも、別料金はいただいていません。
お客様からは、「めちゃくちゃ安いですね」と言っていただくことも、よくあります。
この形にして、3つ良くなりました。
1つ目は、売上が読めるようになったこと。
毎月の見通しが立つので、「毎月ゼロに戻る」感覚が少し和らぎました。
2つ目は、枠を用意しやすくなったこと。
いつ誰が来るかが分かるので、トレーナーの時間を無駄にしません。
3つ目は、続けるかどうかを、お客様が気軽に決められるようになったこと。
コースの終わりが来るたびに「次のコースもどうですか」と勧める必要がなくなりました。
1回8,000円には、理由があります。
人を雇って、トレーナーさんにお願いする形で続けるなら、会社の利益も含めて、このくらいの単価は必要です。
一人でやるオーナーなら、自分の取り分を削って値段を下げる選択もあると思います。
でも、人を雇うジムとして成り立たせるなら、単価は「お客様が払えるか」と「人を雇えるか」の両方から決めるしかありませんでした。
それから、もう一つの肌感覚があります。
このあたりで、大人が本気で悩みを解決するために払えるのは、月3万円くらいが上限なんじゃないか。
その中に収まるように、通い方と値段を組み合わせています。
値段より大事だった、「何を売るか」
4回変えて、一番大きかった気づきは、値段の話ではありませんでした。
うちのジムは、何を売っているのか。
ここが決まってから、ようやく形が安定しました。
うちが売っているのは、「ずっと通う場所」ではありません。
自分で体を整えられるようになるまでの、知識と習慣です。
だから、無料カウンセリングの最初に、こう伝えています。
「うちは、卒業を前提にしたパーソナルジムです」
これを伝えると、驚かれるどころか、むしろ安心されます。
月に数万円は、一般の家庭にとって安くはありません。
「ずっと通ってください」と言われたら、正直、プレッシャーだと思うんです。
卒業できる形だから、始められる。
そういう方が、たくさんいらっしゃいました。
卒業前提だから、全部教える
卒業を前提にすると、商品の中身も変わります。
出し惜しみをしない。全部教える。
食事は、毎食の写真を見るのではなく、考え方を教科書にしてお渡ししています。
体の使い方も、その人の骨格に合わせて、自分でできるようになるまで伝えます。
→ プロテインは飲むべき?|レビューを何百本も書いた私が、ジムで最初に教える食事の土台
→ 筋トレのフォームが合わない理由|教え方を、骨格に合わせるようになった話
トレーナーさんにも、「お客様が卒業するのは、減点ではなくプラス評価です」と伝えています。
売上が減るじゃないか、と思われるかもしれません。
でも、全力で教えて、卒業していったお客様が、次のお客様を連れてきてくれる。
人口3万人の町では、その評判のほうが、何よりの集客になります。
囲い込まないほうが、選ばれました。
無料カウンセリングに来られた方から、「いきなり入会じゃなくて、まず話を聞けるのがよかった」と言っていただいたこともあります。
料金を決めるときに、考えてほしいこと
最後に、地方でパーソナルジムの料金に悩んでいる人に、伝えたいことをまとめておきます。
- 都会のモデルを、そのまま持ってこない:パーソナルトレーニングが知られていない地域では、まとまった金額を先に払う形は受け入れられにくい
- 値下げで解決しようとしない:お客様が来ない理由が「知られていない」「伝わっていない」なら、値段を下げても売上が下がるだけ
- 単価は、人を雇えるかから逆算する:一人でやるのか、人を雇うのかで、必要な単価はまったく違う
- 地域の「上限」を肌で知る:その地域の人が、本気の悩みにいくらまで払えるか。それを超えない形を組み立てる
- 何を売るのかを、先に決める:うちは「卒業できるまでの知識と習慣」。売るものが決まると、料金の形も、教え方も決まる
卒業前提だから、つながり続ける仕組みもつくった
卒業を前提にすると、一つ、考えないといけないことが出てきます。
卒業したお客様と、関係が切れてしまうことです。
だから、卒業したあとも、つながり続けるための仕組みを用意しました。
誰でも来られる月1回の無料の勉強会と、卒業したあとに自分のペースで通える女性専用の24時間ジムです。
始めてから、まだそれほどたっていません。
でも、卒業した方が勉強会に顔を出してくださったり、24時間ジムで続けてくださったりしていて、すごく機能していると感じています。
くわしくは、こちらに書きました。
→ パーソナルジムの継続率|「続けてもらう」より、卒業しても関係が切れない形をつくる
卒業してもらう。でも、関係は切らない。それが、うちの「商品」の全体像です。
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このブログを運営している人
小川健太|チカラコブ株式会社 代表取締役:今は新潟県見附市で、パーソナルジム「CLASSIC GYM」と女性専用24時間ジム「ココカラジム」を運営しています。
歩みを読むFOR GYM OWNERS
うまくいっていないパーソナルジムを、1件だけ、全力で立て直します。
カリキュラム・教え方・集客の仕組みを、そのままお渡しします。費用はいただきません。そのかわり、覚悟をください。
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