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筋トレとアルコールは相性が悪い。飲む量やタイミングなど筋肉とお酒の上手な付き合い方を紹介。

こんにちは。現役理学療法士のNatsumi( @natsumi_dct )です。

身体を動かした後に飲むお酒は、非常に美味しいですよね!筋トレをするモチベーションが「トレーニング後に美味しくお酒を飲むため」という方もいらっしゃると思います。

しかし!気になるのは「アルコールが筋肉に与える影響」ですよね。

過度な飲酒が身体にも筋肉にも悪いことは簡単に想像できますが、具体的にどのくらいの影響があるのでしょうか?

今回の記事では研究で報告された文献を引用しながら、アルコールとの付き合い方を探っていきます。

今回の記事でお伝えすること
  • 筋トレとアルコールの相性は悪い
  • 飲まなくて大丈夫であれば飲まないに越したことはない
  • 避けられない場合は「お酒との付き合い方」を考えよう
  • とりあえずビール!は止めて、ハイボールなどの蒸留酒を選ぶ
  • おつまみは要注意!高たんぱく、低脂質を心掛けよう
  • 筋トレ日前後のお酒は控え、チートデイを用意しよう

自分自身の目標や生活スタイルに合わせて、お酒との付き合い方を決めていきましょう。

筋トレとアルコールは相性が悪い。筋トレガチ勢は可能な限り飲酒を控えましょう。

結論を先にお伝えすると、残念ながら「筋トレ(筋肉)とアルコールは相性が悪い」です。

ですが、その事実を知って「じゃあお酒はもう飲まない!」となる人(できる人)は少ないでしょう。ご自身の目標や生活スタイルから「お酒とどう付き合うか?」を決める必要があります。

筋トレ後のアルコールは筋肉の合成を37%低下させます。

2014年にオーストラリア、RMIT大学のParrらが週3回のトレーニングを行っている20代を対象に、トレーニング後のアルコール摂取が筋タンパクの合成率に与える影響を調査しました。

その結果、プロテインのみを摂取したグループの筋タンパク質の合成に比べて、アルコールと炭水化物を摂取したグループは37%もの合成率の低下を示しました。

参考文献:Parr EB, et al. Alcohol ingestion impairs maximal post-exercise rates of myofibrillar protein synthesis following a single bout of concurrent training. PLoS One. 2014 Feb 12;9(2):e88384.

2014年の論文では「筋トレ後のアルコール摂取は筋肉の合成を37%低下させる」ということが示されています。

ポジティブに考えれば「63%は残っている」と言えますが、きっちり追い込んだ結果を37%も奪ってしまうアルコールが悪魔に見えてきますね。

本気で筋トレに取り組んでいる方は可能な限り避けるべきと言えるでしょう。

なお、同じ論文では、「プロテインを飲んでからアルコールを摂取すると筋タンパク合成率を24%の低下に抑えてくれる」とも述べられています。

筋トレ後の飲酒がどうしても避けられない場合の対処法として覚えておきましょう。

ちなみに…ではありますが、アルコールと筋タンパクの合成率の関係には男女差があることも判明しています。

2017年にノース・テキサス大学のDuplantyらは、トレーニング経験のある男女にスクワットを6セット行った後、アルコール度数15度のウォッカ水割りを500ml摂取させました。

その結果、トレーニング3時間後の筋タンパク質合成率は男性で有意に減少し、女性では有意な変化は認められませんでした。

参考文献:Duplanty AA, et al. Effect of Acute Alcohol Ingestion on Resistance Exercise-Induced mTORC1 Signaling in Human Muscle. J Strength Cond Res. 2017 Jan;31(1):54-61.

女性はアルコールと筋タンパクの合成率で、悪影響がみられませんでした。

とはいえ、喜ぶのは早いです。アルコールが脂肪を落としにくくする点は変わらないのでダイエット中の方やパフォーマンスアップを求めている方はお酒を控えるべきでしょう。

アルコールはテストステロンの分泌を低下させる

急性アルコール摂取が正常なヒト男性の下垂体性腺ホルモンに及ぼす影響を調査しました。

血漿テストステロンレベルは、血中アルコール曲線の上昇段階の間に低下し始め、ピーク血中アルコール濃度で血漿テストステロンは有意に抑うつし、血漿黄体形成ホルモン値の有意な増加が起こりました。
急性アルコール摂取がステロイドの生合成および生体変換を調節する末梢メカニズムを介して血漿テストステロンの抑制を生成することを示しています。

参考文献:Effect of chronic alcohol ingestion on the biosynthesis of steroids in rat testicular homogenate in vitro.Endocrinology. 1980 Jun;106(6):1880-5.

テストステロンは男性ホルモンの一つで、タンパク質の合成を促し筋肉を作る働きを持ちます。筋トレをすることでテストステロンの分泌が上がり、筋肉を育ててくれる超重要なホルモンです。何もしなくても20~30歳頃から次第に低下すると言われているテストステロンですが、アルコールはこの大事な大事なテストステロンの分泌を低下させることがわかっています。

特にビールに含まれているホップは、テストステロンの分泌を低下させてしまいます。「とりあえずビール」の後に続くビールは避けた方が良いですね。

アルコールはコルチゾールの分泌を増加させる

アルコールを大量に飲むと副腎という場所からコルチゾールというホルモンが分泌されます。このコルチゾールは筋肉を分解し、脂肪の合成を促進する作用を持つ悪魔的なホルモンです。実は、コルチゾールはストレスを感じた時に増えるホルモンであり、別名「ストレスホルモン」と呼ばれています。

お酒を大量に飲むということは身体にとってストレスとなっているということです。アルコールは少量であれば逆に気分をリラックスさせてくれる効果もあるので、飲む量に気を付けることが大切です。

アルコールは睡眠の質を低下させる

アルコールの即時および短期的な影響は、眠りに落ちるのにかかる時間を減らすことであることを確認します。さらに、用量が高いほど、深い睡眠の増加に対する影響が大きくなります。睡眠の前半のこの効果は、不眠症の一部の人々が睡眠補助としてアルコールを使用する理由の一部である可能性があります。
しかし、夜の前半に睡眠を統合する効果は、夜の後半により多くの睡眠を中断させることによって相殺されます。

参考文献:Reviewing alcohol’s effects on normal sleep,Alcoholism: Clinical & Experimental Research,Public Release: 22-Jan-2013

アルコールを飲むと寝つきは良くなるかもしれませんが、朝起きた時にスッキリしていることは少ないですよね。

アルコールが睡眠の質を低下させることは皆さんも感じているでしょうが、これにはアルコールを分解する時に生じるアセトアルデヒドが関係しています。アセトアルデヒドは、頭痛や吐き気など二日酔いの原因とも言われる有毒性のあるホルモンです。アセトアルデヒドが分泌されると、レム睡眠が増え、中途覚醒や早朝覚醒へと繋がってしまいます。

身体の回復には質の良い十分な睡眠が重要です。ノンレム睡眠中に最も分泌が増える成長ホルモンをも阻害してしますので、就寝前のアルコールは避けましょう。

アルコールは脱水を引き起こす

アルコールには利尿作用があります。飲み会では度々トイレのために席を立ったり、就寝途中のトイレも増えます。尿が出るということは身体の水分が失われている(脱水)ということです。

水分は身体能力に大きく関わっており、体重の2%低下するとパフォーマンスが低下すると言われています。筋肉には多くの水分を含んでいるので、水分が少なくて力が出ないのはもちろん、筋肉を成長させるために必要な栄養素も水分(血液)と一緒に運んでくれなくなります。そうなれば、いくら高いサプリメントの効果も水の泡になってしまいます。

アルコールは超回復を阻害する

超回復についてはこちらの記事で解説しているので、ぜひご一読下さい。

超回復の嘘と本当。筋トレとの相性は?超回復の正体はグリコーゲンの回復だった!

本気で筋トレをしてる人が忘れてはならないのが「超回復」についてです。筋に貯蔵されているグリコーゲン量が回復することを「超回復」と言いますが、アルコールを分解する時に生じたコルチゾールは、糖新生を抑制する作用を持つためグリコーゲンを上手く生成できなくなります。

筋トレをして筋中のグリコーゲンが減っているのに、アルコールを飲んで筋肉にグリコーゲンを届けられなくなるなら、回復どころか更に痛めつけている様なものです。

実際にアルコールを摂取した場合、パフォーマンスや筋損傷の回復が遅れたと発表した文献もありました。

遠心性運動誘発性筋肉損傷からの回復中の筋肉性能に対する急性中等度アルコール摂取の影響を調べました。
11人の健康な男性はがアイソキネティックダイナモメーターで片足の四頭筋の300の最大遠心性収縮を行った後、体重1g/kgのアルコールを含む飲料を消費しました。
アルコールを飲まなかった際のピーク強度の最大の減少は、アイソメトリック、遠心性収縮に対してそれぞれ発生する12%、28%および19%の損失を有する36時間で観察された。しかし、アルコールを飲んだ後ではピーク強度損失が有意に大きく、同じ測定がそれぞれ34%、40%、34%減少しました。
これらの結果は、遠心性ベースの運動に続く適度な量のアルコールの消費が、通常観察される動的および静的強度の損失を拡大することを示している。したがって、筋肉機能の運動関連の損失を最小限に抑え、回復を促進するために、スポーツの参加者は、イベント後の期間にアルコール含有飲料を避けるべきである。

参考文献:Acute alcohol consumption aggravates the decline in muscle performance following strenuous eccentric exercise.
J Sci Med Sport. 2010 Jan;13(1):189-93. doi: 10.1016/j.jsams.2008.12.627. Epub 2009 Feb 20.

超回復を待って筋トレのメニューを組んでいる人は、アルコールの摂取によって超回復が遅れる可能性があることを覚えておきましょう。

でも、お酒はやめられない…という方へ、アルコールとの上手な付き合い方を紹介します

筋トレとアルコールの相性が悪いことは、悲しいくらいお伝えしました。ここからは、お酒も筋肉も両方大事!という方向けに、筋トレをしていてもお酒と上手に付き合う方法を5つ紹介したいと思います。

①摂取量は少ないほど良いのは当たり前。

当然のことにはなりますが、飲む量には気をつかう必要があります。

厚生労働省では、1日の飲酒量が男性で40g以上、女性で20g以上になると生活習慣病へのリスクが高まるとしています。

20gはおおよそビール500ml、日本酒1合、焼酎0.6合(110ml)です。これはあくまで病気になるリスクの量であり、筋タンパク質の合成に関係するのはもっと少ない量だと思います。一概にビール何杯などといった数字では表せませんが、少ないほど良いということは肝に銘じておく必要があります。

飲み会では手元にチェイサー(水)も一緒に置いておくと、飲酒量を調整しやすくなります。脱水に対しても水で補うことができ、肝臓への負担も軽減できるのでお勧めの方法です。

②お酒の種類は蒸留酒を選ぶ。とりあえずビールはNG。

「ビールよりハイボールが良い」と聞くことが多いと思います。それが何故なのか言うと、ハイボールはウイスキーを炭酸割ったものなので蒸留酒だからです。

お酒は製造方法によって醸造酒と蒸留酒に分けられます。その中でも蒸留酒はカロリーが低く、低糖質です(反対に醸造酒は蒸留酒の2倍ほどのカロリーがあり、糖質やプリン体を含んでいるものが多いです)。その上、蒸留酒の製造過程にひと手間加え、アルコール度数を高めたシンプルなお酒になりやすいため、アセトアルデヒドが分泌される量も少なくなります。

なるべく蒸留酒を選ぼう
  • 蒸留酒の代表例

ブランデー、焼酎、ウイスキー、泡盛、ジン、ウォッカ、ラム、テキーラなど

  • 醸造酒の代表例

ビール、ワイン、日本酒など

③おつまみには要注意。高たんぱく低脂質を選ぶ。

実は飲み会で一番注意したいことは、アルコールよりも一緒に食べる物(おつまみ)です。アルコールは筋肉の合成を阻害してしまいますが、アルコールだけで脂肪がついて太ることは少ないと言えます。

④アルコールの分解を促すナイアシンやビタミンCを摂ろう。

睡眠の所で、アルコールを分解するときにアセトアルデヒドが生じる話をしました。このアセトアルデヒドをさらに分解する力があるのがナイアシンです。ナイアシンはビタミンB1の一種で、二日酔い防止のために皆さんも飲んだことがあるであろう「ウコンの力」や「ヘパリーゼ」にも含まれています。

ナイアシンを多く含む食べ物

レバー、カツオの刺身、エリンギ、ピーナッツ

また、アルコールによる活性酸素の悪影響を減らしてくれるのがビタミンCです。ビタミンCは水溶性のため、飲み会ではサラダからの摂取が考えられます。

ナイアシン、ビタミンCを上手く食事から摂取出来ない人はマルチビタミンなどのサプリメントを上手に使用しましょう。

ウコンは飲む前?飲んだ後?

ちなみにではありますが、マイプロテインでウコンを含む商品(ウコンとBioPerine®のカプセル)が発売されているのを見つけました。ウコンはターメリックとも呼ばれており、肝臓の胆汁の分泌を促します。肝臓が弱っている人がウコンを摂取すると逆に健康を害すると言っているものもあったので、イメージとしては、「ウコンは時間限定の肝機能ブースト」という感じだと思います。

胆汁の役割は、コレステロールや中性脂肪の減少・消化を助ける役割を担っていますが、アルコールの分解を促すと書いている文献は見当たりませんでした。(コレステロールや中性脂肪数の減少に対してなら筋トレの方が数倍効果があると思います。)

お酒を飲んでいる前に飲んでいる人が多いと思いますが、お酒を飲んだ後に飲んだ方が次の日に残りにくいのかもしれません。

⑤チートデイ(飲んでもOKな日)を作ろう。

ストレスでコルチゾールが増えることを説明しました。「酒が飲めないことが最大のストレスだ」という方には、このチートデイのタイミングで楽しく摂取することをお勧めします。今やチートデイは減量の停滞にも有効であると数々言われています。チートデイは筋トレをしない日に設定しましょう。

大事なことは、筋トレの目的を見失わないこと!

筋トレとアルコールの相性が悪いといっても、筋トレの効果が減るということで、今までの積み重ねが水の泡になるわけではありません。

筋トレをしている目的をよく思い返してみて下さい。ダイエットのため、健康のため、お酒を美味しく飲むため、モテるため、史上最高の身体をつくって大会に出るため、、、など人それぞれ目的は違います。

筋トレとアルコールは相性が悪いことをお伝えしましたが、必ずしもアルコールの摂取を止める必要は無いと考えています。むしろ、完全にアルコールをやめることができる人の方が少ないでしょう。

誰もがプロのボディービルダーやフィジーカーを目指しているわけではなく、むしろ、健康のためにやっている人がほとんどでしょう。そこまでストイックになる必要はありません。

今まで筋トレもせずにお酒を飲んでいたのなら、筋トレしている分、十分ダイエットや健康に近づいていますよ。

ちなみに私は、昨年までは毎晩風呂上りに缶ビールを飲んでいました。でも、今年は家では飲まなくなりました。飲まなくなった理由としては、昨年より良い身体になりたかったからです。

習慣化していたため、最初は飲みたい衝動に駆られましたが、今ではお酒を飲みたい気持ちはほとんどありません。飲み会ではお酒を飲みますが、確実に昨年より満足のいく身体になってきています!

大事なことは飲まないことではなく、筋トレをしている目的です
  • モテたいなら飲み会では飲んだ方がいい
  • ストレスになるくらいなら飲んだ方がいい
  • ダイエットなら体重の変化に応じてお酒の種類や量を調整する
  • 自分史上最高の身体を目指すなら一定期間の我慢は必要

まとめ:筋トレとアルコールの相性が悪いことを理解して、目的に合った付き合い方を!

残念ながら筋トレとアルコールは相性が悪いです。

自分史上最高の身体を目指すガチな方はお酒を飲まないに越したことはありません。その理由は以下の通りです。

  • テストステロンの分泌を低下させる
  • コルチゾールの分泌を増加させる
  • 筋トレ後のアルコールは筋タンパク合成率を37%低下させる
  • 超回復を遅れさせる

それでも、付き合い程度で飲まなければならない場合や、お酒も筋トレも両方楽しみたい方が気を付けるべき量やタイミングは、

  • 飲む量はアルコール20gまで(約ビール500ml)
  • ハイボールや焼酎などの蒸留酒を選ぶ
  • おつまみに気を付けて高タンパク低脂質な食べ物を意識する
  • プロテインを飲んでからお酒を飲む
  • 筋トレとは別日にお酒を飲むようにする

などがお勧めです。お酒を飲むか飲まないかは、筋トレをしている目的を考え、上手に付き合っていきたいですね。

それでは、良い筋トレライフをお過ごし下さい。

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