こんにちは!小川(@result_blog)です。
お盆の集まりで義弟に「あの…大丈夫ですか…?」と心配されました。何のことかピンとこなかったのですが、話を聞いてみるとうちの経営状況を気にしてくれているようでした。
言われて気づいたのですが、リザルトブログでの近況報告はこの記事が最後で、そこから1年以上が経ってしまっています。
【ご報告】もう辞めることにしましたリザルトブログのLINEは全然送られてこなくなっているし、たまにメッセージが届いた時には「日本経済の未来はなかなか厳しい」的な内容ばかりなので大いに心配させてしまったようです。
読者の皆様に対しても近況報告ができていないことに心苦しさを感じていたところだったので久しぶりに記事を書くことにしました。(YouTube全盛のこの時代に文字で伝えるのは悪手だとは思いますが、動画で伝える能力は無いと自覚しているので…)
貴重な時間をいただいて記事を読んでいただくのであれば、何か役立つことをお伝えしたいので「パーソナルジム経営の失敗」にフォーカスして文章をまとめることにしました。
そもそも「事業の失敗」について書かれた文章は少ないですよね。
「パーソナルジム」に特化するともっと少ない…というか、ほとんど見つけることができません。
検索してみると最も多いのは「パーソナルジムを成功させる方法」に関しての記事で、次に多いのは「パーソナルジムを始める方法」に関する記事だったりします。
「パーソナルジムのはじめ方」については有料で販売されているものも多いですよね。(テナントの選び方やマシン選定方法、融資の受け方などが詳細にまとめられています。)
本気で筋トレに取り組んだことがある方であれば「いつかは自分のジムを持ってみたい」と妄想したことがある方は多いと思うので、その手の有料記事を購入してみた方もいらっしゃることでしょう。(僕も買ったことがあります。)
ただ、本当に必要なのは「事業の始め方」ではなく「事業を軌道に乗せる方法」であることに気づくのは、実際に事業にチャレンジするも、何をしても上手くいかなくて悩み続けた後でしょう。
(なお、検索して出てくる「成功させる方法」は基本的にビックリするほど上手くいきません。サイトの流入数を増やすためのコタツ記事ばかりです。)
プロ野球の故野村克也監督は「勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし。」という名言を残しています。これは本当にその通りで、負ける時は負けるべくして負けています。
だからこそ、パーソナルジム経営の失敗例を記事として残しておきます。
「いつか自分のジムを持ちたい」と考えている方は多いですが、現実は厳しいです。
目次
ノリと勢いで田舎にパーソナルジムを開業して失敗するまで
2021年7月:ノリと勢いでパーソナルジムを開業する
埼玉県さいたま市から新潟県長岡市に移住し、長岡市の隣にある人口4万人の田舎町(見附市)でパーソナルジムを開業するまでの話は別の記事でまとめているので割愛します。
興味のある方は下記記事を参照いただければと思うのですが、一言でまとめると「ノリと勢い」で開業しました。
新潟県見附市で初となるパーソナルジム「CLASSIC GYM(クラシックジム)」をオープンしました。3年前の僕はとにかく無知で無謀でしたが、新しい挑戦に希望を抱いていました。
大宮に住んでいた時には「場所を使って事業をする」という頭にすら浮かばなかった選択肢に興奮していたとも言えるでしょう。
この時、ジムのビジネスモデルは「オーナー+トレーナー(業務委託契約)」という形を取りました。
会社の事業としてパーソナルジムを経営しますが、実際に顧客対応をしてもらうのは業務委託契約を結んだトレーナーさんという形です。
ジムをスタートさせるキッカケが「自分で使うジムが欲しい。事業化して利益を出せれば最高!」という下心が混じっていたことは自覚していたので、なるべくリスクを減らしてスタートさせることにしました。
自分が抱えられるリスクの範囲内でお金を出して最低限の設備を揃えました。(詳しくは上記の記事に書いてありますが、空き家のガレージを改装して固定費を削減・なるべく自分たちで内装をやって工事費用を削減・中古品を活用して設備費用を削減・ジムのHPも自分たちで作って費用を削減などなど…)
「事業はやってみないと上手くいくかわからない」という思想の元に、業務委託としてトレーナーを引き受けてくれたS君と「やりながらより良い形を目指していこう」とスタートさせました。
報酬は、S君の希望を叶えて固定報酬(業務委託契約)としました。
当時、大学院生だったS君が望んだ金額はそれほど大きな金額ではなかったこと、固定報酬として支払うことでパーソナルジム事業に注力してもらえる(生活のために他の仕事をする必要が無い状態の方が良いだろう)と考えたので希望通りの報酬を渡すことにしました。
2021年8月~2022年2月:関東のモデルを参考にするも、お客さんが来ない
当時のビジネスモデルは「関東のパーソナルジムモデルのコピー」でした。週2回のトレーニング+LINEを使った食事指導をセットにしたパッケージで2か月で○○万円というやつです。
ほとんどのパーソナルジムが「2か月コース」が用意されていることに疑問を持っていたのですが、2か月にせざるを得ない理由があることがわかりました。原因はクレジットカード決済です。
うちではクレジットカードの決済システムでSquareを使っているのですが、トラブル防止のためのガイドラインが存在しているのです。
3か月コースにすることでクレジット決済が使えなくなってしまうので、2か月コースのところが多いんですね。うちも2か月コースでプランを設計しました。
集客でやっていたのは「HPを作ってMEO(Googlemapへのクチコミ)を少しずつ育てて待つ」でした。
神頼みマーケティングと命名しています。←
ここまで触れるのを忘れていたのですが、うちの立地は最悪です。
元々、パーソナルジムを開業するために用意した場所ではなく、空いている場所で衝動的にパーソナルジムを始めることとなったのでビックリするほど立地が悪いんですよ。
そもそも見附市の中でも不人気エリアで、メイン道路から1本入った行き止まりの先にあります。道路からの視認性がゼロどころか、日常的に車が通る場所ですらありません。住所をナビで設定しても無事たどり着いてくれる確率は50%ぐらいです。(半数の方は場所がわからなくて電話をいただきます…)
店舗ビジネスをやろうとする人が100人いたとしたら100人が避ける立地で、近所の方からもパーソナルジムが存在していることを認識すらされていません。
そんな状態で神頼みマーケティング(ただ待つだけ)をしているわけですから、お客さんがくるわけありません。2~3ヵ月に1人くるかどうかという感じで平均すると月10万円ぐらいの売上でした。
まぁ、普通に赤字です。
「SNSをやったり、色々な交流会に参加するなど、集客のためにできることがあるだろ」というツッコミはごもっともで、全責任が僕にあることも大前提です。
ただ…この時は、「集客の役割分担がはっきりしていなかった」&「欲しいと言った金額を払っているし、マーケティングを勉強したいと言っていたから頑張って集客してくれるだろうと期待してしまった」という反省があります。
S君の立場で考えると、最も得なのは「お客さんが来ないこと」ですよね。
固定報酬で毎月決まった金額が入ってくるのであれば、仕事が無い方が(お客さんが来ない方が)嬉しいのは当たり前で、集客を一生懸命やるメリットが全くありません。
新潟県見附市で初となるパーソナルジム「CLASSIC GYM(クラシックジム)」をオープンしました。見附市の起業創業補助金に落ちる
パーソナルジムを開業するのは新潟市見附市という場所です。人口4万人以下の小さな町ではありますが、町おこしには積極的で新規事業に対して積極的にサポートしています。僕が申請したのは「見附市起業創業支援事業補助金」という制度で最大で50万円の補助金が交付されるものです。(100万円の経費を使って50万円が交付されるという補助金です。)
市役所の担当者さんの話を聞くと「みんな応援したいと思っているので、落とすために審査するという感じではないですよ。」と教えてくれました。商工会に行って事業計画書を作成し、必要書類を提出。その後、審査会でプレゼンを行って審査結果を待ちました。
結果は【不採択】でした。
コッソリと教えてもらったのですが、不採択だったのは僕ぐらいで、理由は「上手くいくかどうか、見えないから」だったそうです。見附市にはフィットネスジムやパーソナルジム自体がないので数字が読めないといったことを言われました。
前述の記事で補助金に落ちた話をしましたが、ビジネスモデルが甘々だったのはその通りなので、ぐうの音も出ません。
パーソナルジム事業をS君に完全に任せてノータッチ状態でしたが、赤字が続く状況を何とかしなければ…と、テコ入れを行うことにしました。
2022年3月~2022年9月:関東のモデルを値下げするも、お客さんが来ない
お客さんが来ないと言っても、2~3か月に1人は来ていたので(多少のアクセス数はあったので)「料金プランを変えることでお客さんの数を増やせるのでは?」と考えました。
値下げです。
弱者にとって「安易な値下げ戦略は失敗の元」と言われていますが、多少の根拠はありました。
新潟県は平均世帯年収が少ないのです。
関東で通用しているモデルを価格そのままに持ってきたことが失敗の原因と仮定しました。
実際にこんな声もありましたし…
新潟県見附市で初となるパーソナルジム「CLASSIC GYM(クラシックジム)」をオープンしました。パーソナルジムの相場観がないことで弱気になる
パーソナルジムの相場と言えば、どのぐらいの金額をイメージされるでしょうか?
僕は「トレーニング週2回、食事指導ありの3カ月コースで30万円ぐらい」のイメージを持っています。食事指導なしで通うだけであれば、もっと安くなるかなという感覚です。商工会で作成した事業計画書では、そのぐらいの金額で計画を作りましたが「田舎でその金額を払える人はいないのでは?」と、反応は良くなかったです。
先日、新潟で知り合い、ボディメイクに興味を持っている方に「教えて欲しい」と頼まれました。ちょうど良い機会だと思い、カウンセリングとトレーニング指導を経験してもらった後に「週2回のトレーニング指導とオンラインの食事指導の3か月コースでいくらだと思う?」と聞いてみました。
返ってきた答えは「月1~2万円ぐらいかな」で、「おぉぅ…」と思いました。単純にフィットネスジムに通うぐらいの金額だよなぁ…と思ったのですが、田舎での普通の感覚はそんな感じなのだと思います。
パーソナルジムの相場観が無いことを知り、値段をつけることにビビっています。田舎でのパーソナルジム開業にはたくさんのハードルがあるなと感じています。
とは言え、流石に月1~2万円では成り立たないので価格を抑えたプランを作成してHPをリニューアルしました。
リニューアル前は2~3か月に1人来ていたお客様が、リニューアル後には2か月に1人のペースとなり、平均すると月8万円ぐらいの売上となりました。
月平均マイナス2万円ほど下がりました。(月10万円→月8万円)
むしろ減りました。大赤字です。
もちろん、HPリニューアルに伴う費用も発生しているので大大赤字です。
実際に失敗して「安易な値下げ戦略は失敗の元」という言葉が身に沁みました。値下げ戦略が通用するのは強者だからこそです。価格を下げれば人がくるだろうというのは単なる願望でした。
赤字が続き「このままじゃダメだ…」と思った僕は、新たな戦い方を模索するのでした。
2022年10月~2023年2月:ビジネスモデルの大幅チェンジで兆しが見える
一般的なパーソナルジムのビジネスモデルを持ってきただけでは、なかなか上手くいかないことがわかると同時に、積み上がりにくいビジネスモデルに限界を感じ始めていました。
卒業後の継続プランも一応用意していましたが、2か月コース終了後に継続プランに加入いただく方がほとんどいらっしゃらなかったのです。提供しているサービスのクオリティも関係あると思いますが、価格面に大きな壁があると感じました。(価格を下げたとはいえ、継続し続けていただくには高額だった)
このビジネスモデルでは常に新規顧客を追い求める必要があり、人口が少ない田舎で続けられるイメージが湧きませんでした。
というか、この時点で大赤字を掘っており、既に詰んでいるのでやり方を間違えています。
大きくビジネスモデルを変化させる必要があると考え【月額制パーソナルジム】としてリニューアルすることにしました。
月額制パーソナルジムを導入しようと思ったのは移住してからの経験が大きかったです。
この時、移住して2年が経過しているわけですが、パーソナルジム事業をS君にお任せしている間に「不動産賃貸業」に取り組んでいました。
【ご報告】今後の運営方法についてその2:不動産賃貸業
CLASSIC GYMの報告記事の方で【都会では難しい「田舎だからこそできること」に挑戦する】ことを決めたと書きました。
話がブレると思ったので記事内では触れなかったのですが、新潟に移住してから不動産賃貸業(いわゆる「大家さん」)にも挑戦しています。
順番としては「パーソナルジム事業」よりも「不動産賃貸業」の方が先です。
不動産賃貸業に取り組み始めたことで活用できる場所に出会うことができ、パーソナルジム事業へと発展していきました。
プロフィールの方にはコッソリと追記していましたが、2020年11月に「チカラコブ株式会社」を設立したのは不動産賃貸業で拡大していくために法人にした方が良いと判断したからです。
ちょうど1年前の2021年1月24日(日)に行われたイベントで、新米大家としてお話させていただく機会がありました。
何の参考にもならない話ではありますが、僕が何を考えて不動産賃貸業に挑戦し始めたのかが良くまとまっていると思います。
不動産賃貸業に挑戦しようと思ったのは「自分が主役にならないモデルだから」ではありますが、結果として、そこから広がっていくことが多いと感じています。
現在は銀行から借り入れ(そこそこの借金)をしており、事業として不動産賃貸業に取り組んでいます。
不動産賃貸業(大家さん)は全然儲からないのですが、売上が安定しやすいです。
想像できないトラブルが山のようにあって死ぬ思いをしたことは一度や二度じゃないですが、物件を増やすことで積み上がっていく感覚が確かにありました。
不動産賃貸業の安定感をパーソナルジム事業に取り入れることができないか?という視点で【月額制パーソナルジム】への業態変更を行いました。
HPをリニューアルしたら割とすぐに月に数名程度、新規のお客様がいらっしゃるようになり、毎月20万円程度の売上が立つようになりました。
ギリギリ赤字脱出です。
月20万円程度の売上なので金額的には大したことが無いのですが、これまで全然反応が無かったところからポツポツと反応が取れ始め「確かな手ごたえ」を感じることができたのです。
「この調子でお客様を増やしていけばいけるかも!」と思ったのもつかの間、次なる試練が襲い掛かります。
S君の卒業問題です。
トレーナーをお願いしていたS君の卒業と就職が決まり、2023年3月には上京する(トレーナーを卒業する)ことが決まりました。大変喜ばしいことではありますが、ジムにとってはトレーナーがいなくなってしまうかもしれない一大事です。
引き継いでジムを運営してくれるトレーナーさんを探すか、ジムを閉めるかの二択でした。
ジムを閉めることも考えましたが、月額制パーソナルジムに手ごたえを感じていたこともあり、新たなトレーナーさんを募集することにしました。
新たなトレーナーさんが見つからなければ、お客さんに謝ってジムを閉めるつもりだったので新規顧客は基本的に受け入れていませんでした。
【求人】トレーナー以外もやりたいトレーナーさんを募集します上記がトレーナーさんを募集した記事です。
しっかりと時間をかけて本音を書いたので今読んでも基本思想は変わっていません。
- 田舎で「パーソナルトレーナーだけ」をするのは勿体ない
- パーソナルトレーナーとして高みを目指すのであれば都会に行くべき
- うちでトレーナーをやってもらう方にはトレーナー以外の取り組みをガンガンやって欲しい
この時、集客は「お祈りマーケティング」のままでしたが(何もしてなかったですが)、何の施策も打たないで月20万円の売上が作れたということは、露出を増やすことでもっと伸ばすことができると考えていました。
とは言え、ちゃんと集客を始めても軌道に乗るまでには数か月間は掛かると思っていたので、その期間を凌ぐための補助の収入源として別事業(不動産賃貸業)の仕事をお願いする形を取れば良いと思ったのです。
CLASSIC GYMが求めるトレーナー像は、2つのパターンがあります。
1:自分の事業を持っている(持ちたい)
CLASSIC GYMでトレーナーとして活動していただきつつ、自らの事業を育てるパターンです。うちは完全予約制なので、セッションが無い時には事務所にいる必要はありません。(もちろん、事務所で作業してもらっても大丈夫です。)
この場合は固定給よりも、レベニューシェア(成果報酬型)にした方が自由度が高いかなと思います。
2:パーソナルトレーナー以外もやりたいけど、自分でやるのはちょっと…
パーソナルトレーナー以外のこともやりたいけど、自分で事業を立ち上げるのは尻込みしてしまう…という方には、弊社の別事業を手伝ってもらうという形で提案できればと思います。
社員という形で雇用できるのが理想的だとは思いますが、うちはまだ社員を抱えるだけの余力は無いので業務委託契約で日当を出す形から始められたらと思います。(金額は1日10,000円~で経験に応じて変更。試用期間(3か月)は1日8,000円~と考えています。)
ブログではあまり触れていませんが、この2年間、特に力を入れているのは「不動産賃貸業」です。ボロボロの家やガラガラのアパートを安く買わせていただき、自分たちで直せるところは直して、入居いただくということをやっています。いわゆる大家さんです。
ここ最近は、修繕にかなりの時間が取られてしまっているので、是非ともお手伝いいただきたいです。(元大工さんや、元内装屋さんのトレーナーさんがいたら最高です。元々、住宅関係のお仕事をしていた方や、DIYが好きという方も最高です。)
基本的に本人がやりたいことを仕事にできるのが一番良いと考えているので、「こういったことをやってみたい」と教えていただければ、実現できる方法を考えます。
読者さんに向けて求人をしてみると、想像よりもずっと多くの方から応募を頂きました。
ご応募いただいた方全員とZoomでお話させていただき、より興味を持っていただいた方には一度現地まで来ていただきました。
ジムの見学はもちろん、見附市という街の案内や住むことになるであろう家の紹介、今後やってみたいこと、うちに望むことなど、じっくりと時間をかけてお話させていただき、Aさんにお願いすることにしました。
求人記事の中では「ジムの売上をレベニューシェアにして、他の時間は自由に使うパターン」か「1日いくらでうちの仕事(ジムも含む)を色々と振るパターン」で書いていましたが、話し合いの結果「ジムの売上はレベニューシェア&1日いくらでうちの仕事(ジムを除く)を色々と振るパターン」でやっていただくこととなりました。
「将来的に自分でパーソナルジムをやってみたい」という意思があるAさんにとって、月20万円程度と少ないながらも売上が立ち始めているパーソナルジムの運営に携わることは将来的にプラスの経験になると思ったのです。
僕自身、これまでの失敗を経て店舗ビジネスの肝は「集客」であることに気づいたところでした。
反応が取れるビジネスモデルがある程度わかり、HPやマシンへの先行投資が不要で、更に固定費の負担が無く挑戦できる環境はAさんにピッタリだと思ったのです。
あとは集客を本気でやるだけ。
そんな状態です。
「ジムの売上はレベニューシェア」としたのは集客に対して本気で取り組むメリットを作ることが目的でした。(固定報酬とすると集客を頑張らないことが最適解となってしまうので)
Aさんと一緒にやっていくことが決まったのは2022年12月上旬でした。
S君の上京が2023年3月上旬からと決まっていたので、すぐにでも来てもらって引継ぎをしてもらいたかったのですが、お仕事の都合でAさんがこっちにやってこれたのは2023年2月末でした。
何とか空白期間を作ること無くジム運営を続けることができましたが、教育期間をほとんど取れなかったことも大きな失敗に繋がるのでした。
2023年3月~2023年9月:すべての歯車が上手くかみ合わない。Aさんの離脱
引っ越しのバタバタが終わり、3月からAさんのトレーナーとしての活動がスタートしました。
3月の売上は少し下がりましたが、4月にはサブスク型にしてからの最高売上を達成し、5月には更に売上が伸びました。
…が、6月に売上が半減してしまいました。
そこから下降傾向をたどり、9月には売上が10万円まで下がってしまい、Aさんから「パーソナルトレーナーとして指導する自信がもうないです。」と言われ、Aさんが離脱することになります。
ここからはその経緯をお伝えできればと思うのですが、相手がいることであり、あくまでも僕の視点からしか表現できていないことをご了承ください。
AさんにはAさんの主張があると思いますし、思い出すと僕自身の心が締め付けられるので、無意識に記憶を美化している可能性が高いです。話半分でお読みください。
2023年3月~5月は売上が伸びていたので、まだ十分な売上ではなかったものの希望がありました。
今になって振り返ると、この期間に「教育」と「集客」をしっかりと行い事業としての基盤を固められなかったことが後の崩壊を招くことになったと思います。
この時、ジムにはトレーナーの教育カリキュラムが存在しておらず「個人の能力に頼った指導方法」となってしまっていました。
前任のS君は別のジムでパーソナルトレーナーの経験があったので、その経験を活かしてトレーナーをやってもらっていました。一方でAさんはガッツリと筋トレをするトレーニーではあるものの、パーソナルトレーナーは未経験で「友人に教えたことがある程度」と経験値が少なかったのです。
身体を見ればある程度トレーニングレベルを推測できることから、面接時にはAさんのマッチョな身体と筋トレをしている様子を見ただけで、人に伝える能力の確認をしていませんでした。
S君からAさんに引き継いでもらったのは「既存のお客様の情報」・「無料カウンセリングのやり方」・「メニューの組み方」・「その他、基本的な進め方」ぐらいで「各種目の伝え方」は特に無かったのです。
単純に時間が足りなかったという理由もありますが、S君、Aさん、僕の全員が「まぁ、伝えるのはできるだろう」と思っていました。
Aさんは頭が良く、人当たりも良いです。加えて、人とコミュニケーションを取るのが好きとも仰っていました。実際に話をしていると、コミュニケーションの取り方は自分よりもずっと上手いと感じていたので、僕自身も「人に伝える能力」については全然心配していませんでした。
だからこそ、Aさんにパーソナルトレーナーとしての業務を始めてもらう前に、どのように教えるかを確認することをしなかったのです。(完全に僕の落ち度でした。)
加えて、この時期は僕にとって本当に「時期が悪かった」。
- 2023年1月に自宅を購入して2月~4月はリフォームに明け暮れていた(大部分を自分でやった)
- 2023年4月後半から5月上旬はマイプロテインのGWセールでバタバタ
- 2023年5月4日に祖母が亡くなりバタバタ
- 2023年6月1日にプロテインパン販売開始でバタバタ
- 2023年6月27日に叔父が亡くなりバタバタ
- 2023年7月1日に新潟大家の会でセミナー講師
- 2023年8月は全国各地(東京・千葉・大阪・富山・名古屋・長野・福岡)で減量企画の打ち上げ
単なる言い訳ですが、2023年上旬は仕事とプライベートで色々と重なって本当に忙しく、僕自身がパーソナルジム事業にかけられる時間がほとんどありませんでした。
結果的にAさんには集客も含めて事業を丸ごとお任せする形となってしまったのです。
自分で見たわけではないので推測になってしまうのですが…
ロクな教育を行わずに現場に出てもらったことが原因で「提供サービスのクオリティが低下」してしまい、満足いくサービスを提供できなくなってしまったのだと思います。その結果、積み上げを意識した業態である「月額制パーソナルジム」であるにも関わらず、新規のお客様よりも退会するお客様の方が多くなってしまい、売上の減少に繋がってしまいました。
Aさんは集客の一環として、チラシの配布やSNSの更新、地域のコミュニティへの参加をしていましたが、すぐに売上に繋がる施策とはなりませんでした。Aさんの気持ちとしては「独立したてで右も左もわからないのに放置されてる。一緒にやろうと言っていたのに何もしてくれないじゃないか…」と思っていたことでしょう。
加えて、7月中旬にはAさんが原因不明の体調不良で1週間ほど倒れ、仕事ができないタイミングがありました。
これも推測ですが、この辺りでAさんは「自分で事業をやっていく厳しさ」を痛感したのかもしれません。
勤め人を辞めて、自分で事業を立ち上げた時、一番つらいのは「1年目」です。最初から順調に事業が伸び続けるなんてことは滅多にないですし、税金は前年度の所得に対して掛かってきます。
手元に入ってくる金額が減るどころか、ガンガン貯金残高が減っていくのに、税金は依然としてめちゃくちゃ多いという地獄が待っているのです。(経験上、2年目に入るとずいぶん楽になります。)
法律で守られている勤め人とは違って、自分で事業をやっていると休んだら休んだ分、自分が大変になるだけですし、自分の身は自分で守らなければいけないのです。
少しでもセーフティーネットになれば…と思ってAさんにお願いした仕事もありましたが、僕の力不足で供給し続けるだけの仕事量を用意できなかったのです。
ジムの売上が毎月下がっていく中で新規集客も上手くいかないという状況になり、Aさんは生活のために単発でアルバイトを入れるようになりました。空き時間のアルバイトを詰め込むようになった結果、新規集客のための活動がぱったりと止まってしまいました。
僕はというと、6月の月次を締めた段階で(7月上旬)売上が激減していることに気づきました。何とか新規集客のための施策を打たなければ…と思っているところに、長岡市で脱毛サロンを運営している友人から「サロンのお客様でジムに興味がある人が何人かいる。ジムでイベントを開催できないか?」と話をいただきました。
渡りに船とはこのことか!と思い、Aさんに共有してイベントを開催することにしました。
ところが、奇跡的に山のようにトラブルが身に降りかかります。
当初は7月22日(土)にイベントを開催する予定だったのですが、Aさんの体調不良のタイミングと重なって開催できなかったのが1回目の延期で、改めて8月5日(土)に開催予定となったもののサロンを運営している友人がコロナとなり2回目の延期、9月19日(火)の開催を計画するもAさんの都合が合わずに3回目の延期となり、10月3日(火)での開催となってしまったのです。
今になって思うと、僕自身が全然事務所にいることができなかった8月の時点でAさんはパーソナルトレーナーとしての仕事を辞め、地元に戻ることを決めていたんだと思います。(詳しくは書かないですが、Aさんのプライベートでも色々とあり、自分が地元に戻るしかないと考えたのだと思います。)
この時の僕は「パーソナルジム事業に全然力が入ってないけど、今は自分の生活を安定させる時期だろうから、うるさく言うのはやめよう。」的なことを考えていました。能天気すぎですね…
Aさんの気持ちが完全に離れていると悟ったのは、9月23日(土)でした。お客様からいただいた予約を自分都合を優先してすっぽかしてしまったのです。
これ以外にも兆候は色々(無料カウンセリングに来たお客様を断ったり、1日に1人だけの対応となる予約を断ったり)とありましたが、自分の都合を優先してお客様との約束を破るのは事業主の在り方として間違えていると思いました。
遅すぎるテコ入れなのですが、「決まっている予定である10月3日(火)のイベントのリハーサル」と「パーソナルジムのサービス品質を維持するためのマニュアル作りに着手したいこと」を打診しました。
9月30日(土)の打ち合わせはかなり大事な話になると思い、全ての予定をリスケして丸一日空けたのですが、翌日に「パーソナルトレーナーとして指導する自信がもうないです。」というLINEがきました。
就職活動をしていることすら知らなかった僕は寝耳に水でした。
相談ではなく報告だったので、引き留めるとかそういう話じゃないなと思いつつ、まずは話を聞かせてもらうことにしました。
…と書くと、だいぶ美化してしまっていますね。
メッセージを受け取った直後は、正直ちょっとムカついてしまいました。
少し前の打ち合わせで「思っていることは自分一人で決める前に相談してね。」と話したはずなのに、自分には何も言わずに就職活動を始めて、決定事項として4日後のセミナーキャンセルを伝えてきた姿勢に「うちの看板でやってるのに無責任だな。決まってるなら昨日のLINEで打ち合わせを打診された時に断ってよ。信頼関係なさすぎだろ…」と思ってしまったのです。
Aさんはきっと僕にムカついていて、随分前から気持ちを固めていたんだと思います。
10月3日(火)に予定されていたイベントは、Aさんが僕に対して気持ちを表明するキッカケに過ぎなかったのでしょう。
LINEを頂いたその日(9月29日)の夜に時間を頂いて、今後のことについて話し合いをすることになりました。夜の話し合いまでの間に、僕の気持ちを固める必要がありました。
2023年9月29日(金):パーソナルジムを閉めようと思った日
AさんへのLINEでは気丈に振舞っていましたが、本心では今にも泣きそうなぐらい傷ついていました。
Aさんに対して「お話しましょう。」とメッセージを送った直後に、こっちの筋トレ仲間であるTさんに泣きの連絡を入れるぐらいには弱っていました。
ひたすら「僕はどうしたらいいですかね…」と弱音を吐き続ける僕の話を聞いてくれたTさんには頭が上がりません。(Tさん、あの時は本当にありがとうございました!!)
感情を吐き出してスッキリした僕は「弱音を吐いていても現実は変わらない。今後のことを決めないと…」と、これからのことについて考える余裕が少しだけできました。
最初に決めなければいけない最も重要なことは、パーソナルジム経営を「続けるか」・「辞めるか」でした。
どちらを選択したとしても、うちの看板で商売をしている以上、全ての責任は僕にあります。だからこそ、自分が納得できる形にしなければ一生悔いが残ると考えました。
もし「ジムを辞める」という選択をした場合、辞め方は3つ思い浮かびました。
- 事情を話して謝って、翌月の更新をお断りする(それまではAさんに対応をお願いする)
- 新規は断り、既存のお客様をAさんに対応いただける限り続けてもらう(ジムを辞めることを予告する)
- お客様の対応を僕が引き継ぎ、時期を見てジムを辞める
一方で「ジムを続ける」という選択をした場合、続け方も3つ思い浮かびました。
- 既存のお客様をAさんに対応いただいている間に他のトレーナーさんを見つける
- お客様の対応を僕が引き継ぎ、他のトレーナーさんを探す
- お客様の対応を僕が引き継ぐ
この時、一番考えたことは「これ以上、お客様には迷惑をかけられない」ということです。
完全に気持ちが離れているAさんにお客様を対応してもらうことは、Aさん・お客様・僕の全員が幸せにならないと考えました。
Aさんの気持ちを知ってしまった以上、Aさんにトレーナーとしての仕事を引き続きお願いするという選択肢は無しでした。
つまり…ジムを辞めるにせよ、続けるにせよ「お客様の対応を僕が引き継ぐしかない」と思ったのです。
Aさんからお客様を引き継ぐことを決めた次に考えたのは「引き継ぐ理由」です。
うちの看板でサービスを提供している以上「Aさんが辞めることになったので僕が引き継ぎます。」と伝えるのは恥ずかしすぎたため、別の理由を考えました。
たどり着いたのは「現在提供しているサービスよりもアップグレードされた新しいカリキュラムを開発しました。新カリキュラムのモニターとして据え置き価格で体験していただけませんか?(モニターなのでトレーナーはAさんから小川に代わってしまうんだけど…)」というオファーです。
この時のジムのメニューはトレーニング指導料金を月額でいただいており、食事指導は別料金のオプションという形だったので、「トレーニング指導+食事指導で料金据え置き(ただ、トレーナーは変わってしまう)」という形で提示することにしたのです。
Aさんとの話し合いの前に「僕がトレーナーになって引き継ぐ」という覚悟が決まりました。
新しいカリキュラムを作ってお客様に提供することを決めた以上、「お客様の対応を僕が引き継ぎ、時期を見てジムを辞める」という無責任すぎる選択肢は無しです。
ジムを続ける決断をしました。
その後に行われたAさんとの話し合いでは、お互いの心が決まっていたのであっさりと終わりました。
- Aさんと交わした業務委託契約書では「辞める場合は3か月前の告知」としているが、Aさんの気持ちを最大限尊重したいこと
- Aさんのお客様は全て僕が引き継ぐこと
- お客様の基本情報をまとめて僕に共有して欲しいこと
- 面識のないお客様もいるので最初だけ「オーナーから話がある」と繋いでほしいこと
を伝え、翌日である9月30日(土)から僕がお客様を引き継ぐことになりました。
9月30日(土)にご予約を頂いていたお客様は1名で、Aさんに繋いでいただこうとしたら「トレーナーさんが変わるのであれば通うのを辞めます。」と本題に入る前に(筋トレ指導+食事指導のモニター話をする前に)断られてしまいました。
なので翌日からは作戦を変更して最初から僕が対応することにしました。
「こんにちは!オーナーの小川です。(名刺を渡す)Aじゃなくてすみません。実は…○○様にお願いがありまして。。。この度、【筋トレ指導+食事指導】の新カリキュラムを開発したので、○○様にモニターをお願いしたいのです。料金と筋トレ指導はそのままで、プラスして食事指導を追加させていただきます。写真が欲しいとかではなく、単純にカリキュラムのフィードバック(思ったことをそのまま伝えて欲しい)をお願いしたいのです。新カリキュラムになる都合で担当がAから私に代わってしますのですが、嫌だと思ったらすぐ言ってください!!」
と全てのお客様にお伝えして、Aさんからの引継ぎは無事に完了したのでした。
以上が、ノリと勢いだけでパーソナル開業して失敗だらけで地獄を見た話です。(このあともめちゃくちゃ大変でしたが、「死ぬほど働く」の一本槍で乗り切ったので割愛します。)
ここから本気でパーソナルジム事業と向き合うわけですが、ここまでの失敗から学べることをまとめます。
失敗から学ぶ教訓らしきもの
1:本気で取り組めないのであればやらない
1つ目は「本気度」です。当たり前の話ですが、事業として本気で取り組む覚悟が無いのであれば手を出さない方が良いです。
特に自分がやってしまったように「オーナー(お金を出す)+トレーナー(業務委託)」の組み合わせでスタートするのは絶対にやめておいた方が良いです。オーナーがパーソナルジムを軌道に乗せる方法を知っているのであれば良いですが、店舗経営のノウハウを持っていない状態だとほぼ上手くいかないでしょう。
最初は「2人で試行錯誤して進めていきましょう」となると思いますが、ノウハウを開拓していくフェーズでは金銭的リスクを負っている人間が試行錯誤する形じゃないと前に進めないのです。
例えばトレーナーさんがジムの導線を良くするアイデアを思い付いたとしても「報酬が増えるわけではない余計な仕事」となってしまいます。そうなると「面倒くさいから、このままでも良いか」となります。
集客をするにしても「アイデアを形にするのは誰か?」・「発生する費用を負担するのは誰か?」・「成果が出なかった時に責任を負うのは誰か?」を考えなければいけません。(いくらトレーナーさんとレベニューシェアでやっていたとしても、指示されたことを実行したのに金銭的なリターンが何もなかったら…心が離れていく可能性が高いです。)
経済合理性で考えれば、固定報酬でお願いしている場合は「仕事が無い方が嬉しい」ですし、レベニューシェアでお願いしている場合でも「金銭的なリスクは取りたくない」・「報酬に繋がらない行動はしたくない」と考えるのが普通です。
集客が上手くいかずに赤字が続くとオーナーは「固定報酬を減らしたい」と言いたくなりますし、トレーナーは「レベニューシェアの割合を上げて欲しい」と言いたくなるのが人間です。
ノウハウが無い状態でパーソナルジムに挑戦するのであれば「一番つらい軌道に乗るまでの間、金銭的リスクを負う人間が自分で試行錯誤してノウハウを探し出す」という姿勢が絶対的に必要になると考えます。
店舗経営は色々なリスクが伴う挑戦となります。「自分が筋トレできる場所にもなるから挑戦してみよう」という軽い気持ちで取り組むと、失うものが結構あるので注意が必要です。
僕が本気になったのは色々と失った後だったので、同じ失敗はして欲しくないなと思います。
2:挑戦する権利を手に入れる
店舗経営の大きなリスクの1つは「金銭面」と言えるでしょう。
会社を経営していると良く分かるのですが、会社が倒産するのは赤字になった時ではありません。資金が無くなった時です。店舗経営でも同じことが言えて、家賃が払えなくなったら撤退しなければいけません。
「良いサービスを提供すればお客様がきてくれる」というのは大いなる幻想で、現実はビックリするほど来てくれません。全然お客様が来ない現実に直面してから「これは何もしないとヤバいかも…」と焦って集客に取り組み始めるのです。
昔はパーソナルジムを開いただけでお客様がきたかもしれませんが、その時代は終わっており、軌道に乗るまでに時間が掛かるのです。
つまり、多少時間が掛かっても大丈夫なように資金計画を立てる必要があります。ベストは全くお客様がこなくても破綻しない形でしょう。
僕の場合はたまたま別事業で売上を作れていたので、パーソナルジム事業が赤字でも継続することができました。
一般論に落とし込もうとすると「いきなり本業にしない」という心構えが必要です。言い換えると「アテの無い状態で本業を辞めない」とも表現できます。
- パーソナルトレーナーをやったことが無いのであれば、副業でジムに所属してトレーナーを経験してみる
- ジムを時間借りできる場所を見つけて、トレーナーとしての活動がやっていけそうか試してみる
- 自分で場所を用意する場合でも、本業は辞めずに平日の夜と土日だけの営業でスタートしてみる
などなど、失敗した時のリスクを許容できる形で挑戦するべきと考えます。
残念ながら人間はそれほど強くありません。特にお金が無い状態になると思考回路がバグって間違えた判断をしがちです。(最後の大勝負!これでダメなら派手に散ろう…とか考えてしまいますし、自分のことだけを考えた提案をしたりします。)
大切なことなので繰り返しお伝えしますが、店舗経営は金銭面で大きなリスクを伴うことが多いです。
独身男性だったら何とかなるかもしれませんが、大切な人がいる場合は一発退場するような挑戦は絶対にしてはいけないのです。
とにかく「撤退しないこと」を意識して、まずは挑戦する権利を手に入れることを意識しましょう。
「挑戦する権利」とは「全くお客さんが来ない状態でどのぐらい挑戦できるか?」ということです。数か月以内で軌道に乗らないと資金が回らないという計算だった場合、事業そのものを見直した方が良いでしょう。
3:城を作るな、ラボを作れ
少し被る部分もあるのですが、とても大事なことなので1つの項目にしておきます。
店舗を始める時、お金を掛け過ぎる方が多すぎです。
「自分の城を作る!」という意気込みで内装と設備をバチバチに構えたくなりますが、お金を掛ければかけるほど「挑戦の権利」から遠ざかりますし、揃えた設備が「本当に必要な設備」ではないかもしれません。
というのも、僕自身がジムの機材を入れ替えまくった経験があるからです。かれこれ5回ぐらいは作り直しており、不要になった設備がたくさんあります。
空いているスペースに機材を買うのは簡単ですが、撤去して捨てるのは思っている以上に大変だったりします。
最初はこのぐらいからスタートした。
今はこうなった。
どんな設備が必要になるかはコンセプトやターゲットによって変わります。
自分自身ができること・お客様が求めていることのバランスを取るべきなのですが、そこを見極めるためには実際にお客様の対応をしなければ見えてこないのです。
だからこそ、作るべきは「ラボ(研究所)」です。
最初から決め打ちで「自分の城」を作るのではなく、変化することを前提に実験するための「ラボ」を作る意識がオススメです。
ラボで研究する時間が必要だからこそ、なるべく固定費を抑えて挑戦する権利を手にする必要があるのです。
田舎でパーソナルジムを経営する「答え」を見つけたい
ここで今現在、僕が取り組んでいることを共有させていただきます。
【田舎でパーソナルジムを経営する答え】を見つけたいと思ってパーソナルジムを運営しています。(もちろん、答えは1つではないので「自分の中で答えだと思うもの」という意味です。)
埼玉から新潟に移住した時、納得できないと思うことがありました。
田舎において「身体作りができる人の価値」が低すぎるのです。
僕自身が筋トレと出会って(身体作りをすることで)人生を変えることができた経験があるので「ボディメイクを指導できる人」に対してかなりのリスペクトがあるのですが、移住してから仲良くなった方々とお話させていただいている中で価値観のズレを感じていました。
そもそもジム自体が少ない(ない)ですし、パーソナルトレーナーという職業自体があまり認められていない感じがします。(今後、人口減少が加速することがわかっている田舎において「パーソナルトレーナー」という職業が肯定されない理由はよくわかります。)
僕自身も「田舎でパーソナルトレーナーだけをするのは勿体ない」・「トレーナー以外の取り組みもやるべき」と考えています。
【求人】トレーナー以外もやりたいトレーナーさんを募集します- 「パーソナルトレーナー」という職業が一生続けられる仕事ではないとしても
- 「パーソナルトレーニングジム」というビジネスモデルが一生通用するものではないとしても
いつかは終わりがくることを前提に「現時点で通用するビジネスモデル」を作ることができないか?と思ったのです。
もし田舎で通用するパーソナルジムのビジネスモデルを作ることができたら、田舎に住んでいるトレーニーの希望になるかもしれないと思えたので【田舎でパーソナルジムを経営する「答え」を見つけたい】と考えたのです。
個人の能力ではなくビジネスモデルで戦うパーソナルジムにしたい
ジムを作り込んでいる中で、最も重要視したのは「個人の能力」で戦うのではなく「ビジネスモデル」で戦うことでした。
一般的にパーソナルトレーニングジムは「トレーナーの属人性が高い」と言われています。人で選ばれるために「影響力」が必要で、YoutubeやTikTok、Instagram、XなどのSNSでの発信を重要視している方が多いです。
このやり方の最大の弱点は「再現性が無い」ことです。
○○さんだからできた方法は他の人の参考にならないですし、「人気者であり続けることの難しさ」は痛いほど知っています。
【ご報告】今後の運営方法についてパーソナルトレーニングは人が人に提供するサービスなので「人に紐づくサービス」なのですが、お客様に知っていただく入り口は人じゃない方がビジネスモデルとして強いと考えたのです。(入り口が人だった場合、入り口となっている自分が対応し続けなければいけません。)
現在進行形でジムのSNSアカウントは作成していなかったり、個人のSNSでジムの話をしないのは、こういった理由があるからです。
田舎でのパーソナルジムは「週30時間労働で月商100万円」が幸せライン
僕自身は「田舎でパーソナルジムを経営する」ということに対して結構厳しい見方をしています。
僕自身も「田舎でパーソナルトレーナーだけをするのは勿体ない」・「トレーナー以外の取り組みもやるべき」と考えています。
【求人】トレーナー以外もやりたいトレーナーさんを募集します
- 「パーソナルトレーナー」という職業が一生続けられる仕事ではないとしても
- 「パーソナルトレーニングジム」というビジネスモデルが一生通用するものではないとしても
いつかは終わりがくることを前提に「現時点で通用するビジネスモデル」を作ることができないか?と思ったのです。
パーソナルジム経営だけにフォーカスして売上を最大化させるよりも、ある程度軌道に乗ったら、ほどほどに働いて別の事業にも挑戦できる体制を作った方が良いと考えています。
トレーナー側の負荷と提供するサービスのバランスを加味すると、田舎において幸せに暮らせるラインは「週30時間労働で月商100万円」ぐらいという体感があります。
ある程度事業が育ったら、トレーナーさんを育てて一人ずつお客様をお任せして、自分の時間を少しずつ増やしていくというスタイルが今のところ心地よいなと思っています。
パーソナルジム経営を軌道に乗せる5つのパーツ
2023年10月から、僕は本気でパーソナルジム経営と向き合い始めました。
自信を持って「本業です。」と言い切れるぐらい作れる時間の全てをジムの作り込みにつぎ込んでいます。(リザルトブログの更新やLINEでのセール情報が途切れ途切れとなってしまった理由はここにあります。すみません。)
1年間試行錯誤した結果、パーソナルジム経営を軌道に乗せるためには5つのパーツが必要なことがわかってきました。「メニュー」・「集客」・「リピート」・「求人」・「教育」の5つです。
この記事を書いている時点で全てが完成しているわけではないので詳しくは解説しませんが簡単に共有します。
1:メニュー
「提供メニュー」と「価格」のことです。どういったサービスを提供するかで全体の枠組みが決まり、ビジネスモデルの上限が見えてきます。
うちのジムは「週30時間稼働で月商100万円」を目指しているので、それが実現できるメニューを用意する必要があります。(これは提供者側の都合の話です。)
メニューとは即ち「どういった人にどういった成果を約束できるか?」ということです。
全ての人に成果を約束することはできないので、自分が提供するメニューで成果を約束できる人を明確にして、成果を約束できる人だけを受け入れることを決めなければいけません。
自分が提供するサービスの成果の再現性が確立された時に初めて、必要な設備がわかり、作るべきHPが見えてきます。
実際にお客様に提供しながらブラッシュアップを続けて見えてくるものなので、ある程度形が固まるまでに半年~1年は掛かると思います。(うちは新しいメニューを提供し始めてそろそろ1年が経ちますが、かなりの頻度でブラッシュアップしています。昨日も1つアップデートしました。)
パーソナルジムを開業するとお客様ではなくHP制作会社や集客代行会社からたくさんの連絡が来ます。しかしながら、提供サービスが固まり切っていない段階で(開業直後に)ガッツリとお金を掛けたHPを用意する必要は全くありません。HPで大切なのはデザインのきれいさではなく、内容です。
2:集客
何と言っても「集客」が肝です。
神頼みマーケティング(HPやMEOだけやってあとは放置)では全く上手くいきませんし、トライする施策はことごとく当たりません。
うちの場合は立地が終わっているので、なおさら苦労しました。
簡単にできる施策から、お金と手間の両方が掛かる施策まで思いつくものは大体やって、やっと「当たる施策」を見つけ出しました。1つの集客方法だけに頼るのはリスクが高いので他の方法も現在進行で試行錯誤しています。
数々の失敗から学んだことは「集客経路が確保されないと人を入れられない」ということです。
自分1人でトレーナーをするのであればお客様が来なくても何とかなりますが、将来的に現場を離れることを考えるのであれば人を入れないといけません。集客経路が確保されていない状態でトレーナーさんを入れてしまうと、仕事を供給できなくなり、いずれ破綻してしまうのです。(自分1人だけだったとしても、全くお客様が来なければいずれ破綻してしまいますが…)
集客の再現性と連動しているのは「メニュー」なんですよね。
いくら集客力があっても提供メニューに価値を感じてもらえなければ売れないのです。
「良いサービスを提供すれば売れる」というのは大いなる幻想であるとお話しましたが、「集客力があれば何でも売れる」というのも盛大な勘違いです。
文字にすると非常に当たり前ですが「良いサービスを作り、適切な方法で集客する」ことが求められるのです。
3:リピート
パーソナルジムこそ「リピートの再現性」を作るべきと考えます。特に田舎では人口が少ないので新規集客でしか成り立たない刈り取り型のビジネスモデルを作った時点で詰んでしまいます。(新規集客が一番大変です。)
リピートに関しても「メニュー」と強く連動しているので、お客様とどういったお付き合いをしていくのか、最初からスタンスをハッキリとさせておくべきです。
うちはリピートを重視した設計にしています。
4:求人
提供メニューが確立して新規集客が軌道に乗り、リピートしていただけることができた時に初めて「求人」を行うタイミングがやってきたと言えます。
メニューとは即ち「どういった人にどういった成果を約束できるか?」ということです。
全ての人に成果を約束することはできないので、自分が提供するメニューで成果を約束できる人を明確にして、成果を約束できる人だけを受け入れることを決めなければいけません。
メニューがお客様との約束だとすると、求人はトレーナーとの約束です。
全ての人にとって良い職場を作ることはできないので、自分が作るビジネスモデルで幸せにできる人だけを募集するのが良いでしょう。
「優秀な人材」の定義は雇用主ごとに変わります。
自ら率先して仕事を作り出しバリバリと働いてくれる人を優秀な人材と言っている人もいますし、指示した業務をミスなくこなしてくれる人を優秀な人材と言う人もいます。
仕事を丸ごとお願いして大失敗した僕は、個人の能力に頼って営業するスタイルを辞めるべく、あらゆる業務をマニュアル化しました。
うちが大事にしていることは「圧倒的な顧客ファースト」なので、トレーナーさんには「セッション時間とマニュアルの範囲の中で担当のお客様にとってベストだと思うことだけ提供すること」を求めています。
つまり「マニュアルを遵守できる人」がうちにとって「優秀な人材」と定義しています。
トレーナーさんにはお客様とのセッションにだけ集中して欲しいので、その他の余分な業務が発生しないようにしています。
集客のためにSNSを更新してもらったり、空き時間にチラシを撒いてもらったり、何らかの集まりに行ってもらったりすることは無いですし、クロージングをしてもらったり、物販での売上ノルマを課すこともありません。もちろん、備品の買い出しや経理処理などをお願いすることもありません。
仕組みを工夫してマニュアル化して、セッション時間の中で完結できる仕事だけをお願いする形にしており、それを僕とトレーナーさんとの約束としています。
Win-Winの形を作れるかどうかをかなり大事にしているので、実際に会ってお話させていただき、うちのやり方を理解&納得いただいた方だけにお願いすることにしています。
このやり方にしてからかなり上手くいっているので、求人をする時には「自分がトレーナーさんと約束できること」をよく考えるべきです。
5:教育
求人とセットになるのが教育です。
業務マニュアルを用意するだけでなく教育システムをしっかりと用意してあげないと、雇用主とトレーナーさんの両方に不安が残ってしまいます。
ここでもプチ失敗がありまして…
今現在、うちでトレーナーをしてくれている方は2名いらっしゃるのですが、1人目をお願いした時にはマニュアルしかなく教育カリキュラムが無かったのです。
運良く能力が高い方で壁を乗り越えてもらいましたが「これはいつか事故る…」と思い、慌てて教育カリキュラムを作成し、2人目からは教育カリキュラムを受けてもらうやり方に変更しました。
これも上手く機能しているので「業務マニュアル」+「教育カリキュラム」をセットで用意する必要があると言えます。
詳しく書くとここから3万文字コースでいつまで経っても記事が公開できないので、要点のみ簡単に説明させていただきました。
この段落の最初に書いた通り、まだ全てが完成しているわけではありません。進捗としては体感で55%ぐらいで、全てが完成するにはあと1年ぐらいは掛かりそうだなと思っています。
とはいえ、パーソナルジムの開業を目指している方にとっては役立つ部分もあると思うので参考にできる部分はぜひ取り入れてみてください。
失敗談を公開してまで、あなたにお願いしたかったこと
長い長い記事にお付き合いいただき、ここまで読んでいただいた方には心から感謝申し上げます。お付き合いいただき、本当にありがとうございます。
自分の失敗を振り返り言葉にするという作業は思っていた以上にツラく、莫大な時間と心のHPを消耗してしまいました。筋トレも全然できなかったので筋肉も消耗してしまったかもしれません。(笑)
大人になってから失敗談を公開するのは恥ずかしいのですが、記事にしようと思ったのは「誰かの役に立つかもしれない」と思ったことにプラスして、「僕自身が次に進みたいこと」があるからです。
読んでくれたついでに、もしよかったら、僕のこれからに協力して欲しいです。
以下の①~④に、協力してもらいたい内容を書きます。どれでも良いので無理のない範囲で協力してくれたら嬉しいです。
- 田舎でパーソナルジムを開業したいという人から連絡が欲しい。開業したけど上手くいっていないという人から連絡が欲しい。
- うちでパーソナルトレーナーをやりたい人から連絡が欲しい。やってくれそうな人にこの記事を紹介して欲しい。
- 自社開発のプロテインパン(ココカラブレッド)を買って欲しい。
- この記事を拡散して欲しい。
以下、1つずつ説明させていただきます。
①田舎でパーソナルジムを開業したいという人から連絡が欲しい。開業したけど上手くいっていないという人から連絡が欲しい。
僕が今、作りたいと思っているのは「田舎でのパーソナルジム経営の答え」です。
「新潟県見附市という人口4万人の都市」で「その中でも立地は最悪」という環境で、属人性を消した状態でうまく機能している方法が別の場所でもうまく機能するのかを知りたいと考えています。
まだ全てを作り終えていないので、すぐに全てを授けることはできませんが、何に悩み・何に困っているのかを知りたいのです。
僕が作り込んでいる仕組みは表面から見えるものと表面からでは見えないものの2種類があります。この記事では表面から見える仕組みすら解説しないようにしているのですが、その理由は「表面だけ真似ても絶対に上手くいかないと考えているから」です。
都合の良いところだけ良いとこ取りしたくなる気持ちはわかりますが、思い付きで施策を打って時間とお金を無駄にするぐらいなら、直接聞いてください。
すぐに対応するとは約束できませんが、お問い合わせいただいた方には必ず連絡させていただきます。(内容を見て順番を変更させていただく可能性があります。)
ここをクリック
もし、あなたの身の回りでパーソナルジム開業を考えている方がいた場合は、「こんな記事があったから読んでみたら?」という形で紹介してもらえると大いに助かります。
②うちでパーソナルトレーナーをやりたい人から連絡が欲しい。やってくれそうな人にこの記事を紹介して欲しい。
おかげさまでパーソナルジム自体はかなり順調なのですが「求人」が追い付かないという問題に直面しています。
うちのやり方はかなり特殊で教育にも時間をかけるため「このままだとお客様を断らないといけない状態になるな…」と思っています。
この記事を読んでいる方で、たまたま近くに住んでらっしゃる方はいないと思いますが、万が一の可能性にかけて求人募集ページのリンクを貼らせていただきます。
ここをクリック
現時点のトレーナーとしてのスキルは求めておらず、方向性が一致する方を求めています。人が足りないからと焦って採用することはせず、Win-Winの関係性が作れると思えた人だけを通すと決めています。
もし、新潟県見附市付近の方でパーソナルトレーナーをやってみたいと考えている友人がいたら「こんな記事があったから読んでみたら?」という形で紹介してもらえると大いに助かります。
③自社開発のプロテインパン(ココカラブレッド)を買って欲しい。
パーソナルジム事業とは全く関係ありませんが、去年自社開発のプロテインパン(ココカラブレッド)をリリースしました。
味と栄養素を追求した無添加のソイプロテインパンで、1個264kcalでP:F:C=22.9g:2.8g:37.6gとなっています。
自分では「こんな良い商品は無い」と思っており、毎日食べているのですがジムの作り込みにリソースを取られてしまって全く宣伝活動ができていません。←
2023年12月7日(木)の新潟日報に載りました!
完全手作りなので大量に作れるわけではないのですが、投げ銭の感覚で買って欲しいです。損はさせません!
ここをクリック
【追記】減量中でも美味しいパンが食べたい。ローファット(脂質制限)向けのプロテインパンを作りました!レビューだけでもチェックしてみてください!
売り切れの場合はECサイトからメルマガを登録していただけると在庫復活時にお知らせさせていただきます。
④この記事を拡散して欲しい。
①~③の目的を達成するために、少しでも多くの人にこの記事が届いて欲しいなと思います。
だからこそ、あなたがよく使っているSNSで、あるいは口コミで、この記事を拡散して欲しいです。
何度も繰り返してしまって恐縮ですが、この記事を書くには多くの葛藤がありました。思い出すのが嫌な部分や自分の弱さに向き合う部分、人を傷つけてしまうのではないかという思いもありました。もしかしたら誰かに叩かれてしまうかもしれません。
それでも、失敗の記録として残しておくために&僕の「これから」のために2万5千文字にも及ぶ文章を書き上げました。
この記事が一人でも多くの人に届いて欲しいなと思います。そうでないと、心と身体(筋肉)を削りながら書いたこの記事の意味がありません。
拡散に協力いただけたら、あなたの助力に対して心から感謝します。
あまりにも長い文章に目を通していただき、本当にありがとうございます。
失敗ばかりの人生ではありますが、こうやってコンテンツにできて誰かの役に立つ可能性があることが嬉しいです。
また記事を書けるように日々、一生懸命生きていきたいと思います。