こんにちは!小川( @result_blog )です。
新潟県見附市という人口4万人の地方都市で、パーソナルジム「CLASSIC GYM」と女性専用24時間ジム「ココカラジム」を運営しています。
前回の記事では「売上のために魂を売らない」という僕の経営理念についてお話ししました。
多くの反響をいただき、熱い想いを持った方からの連絡も増えています。ありがたい限りです。
ただ、経営者として冷徹な事実を一つ言わなければなりません。
どれだけ高尚な理念があっても、それだけではジムは潰れます。
- 「お客様のために」と叫ぶだけで、スタッフの給料が払えるか?
- 「誠実に」と願うだけで、お客様が集まりまるか?
答えはNOです。
僕が地方で「嘘をつかない経営」を続けられているのは、決して僕の人柄が良いからでも、カリスマ性があるからでもありません。
そこには、理念を現実にするための「徹底的な仕組み(システム)」が存在するからです。
この記事では、感情論は一切抜きにして、僕のジム(CLASSIC GYM)の裏側で動いている「店舗運営のOS(オペレーティングシステム)」の一部を解説します。
目次
仕組み①:「感覚」の撲滅とマニュアル化

多くのパーソナルジムが抱える最大の弱点。それは「属人化」です。
「あのトレーナーじゃないとダメだ」「オーナーが現場に出ないと回らない」。
これは経営ではなく、ただの「職人芸」です。
「自分ができること」と「人に伝えること」は、全く別の能力
僕も最初はここでつまずきました。
パーソナルジムを始めて、最初にトレーナーさんにお願いした時のことです。自分がやって掴んだ感覚を、そのまま伝えれば再現できるだろうと思っていました。
結果、思うように再現できませんでした。
お客様への伝え方、トレーニングの順番、声のかけ方。自分の中では当たり前にやっていたことが、トレーナーさんには伝わっていなかったんです。
この経験で気づいたことは「自分ができること」と「人に伝えること」は、全く別の能力だということです。
「小川さんに教わりたい」と言われるのが、一番怖かった
僕が一番恐れていたのは、「小川さんに教わりたい」と言われることでした。
もちろん、そう言ってもらえるのは嬉しいです。
でも、それだと他のトレーナーさんに渡せなくなります。トレーナーが変わると質が変わる。それでは、ジムとして成り立たないと思いました。
僕が目指したのは、「このカリキュラムを受けたい」と言ってもらえるジムです。
誰が担当しても、同じ質のトレーニングを提供できる。それが実現できれば、トレーナーの属人性に頼らず、お客様に成果を約束できると考えました。
地方でパーソナルジムを続けていくには、僕一人では限界があります。スタッフに任せられる仕組みがないと、持続可能なビジネスにはならないと考えています。
すべてを「言語化」する
そのために、僕はジム運営のすべてをマニュアル化(言語化)しています。
トレーニング指導:解剖学に基づいたフォーム解説の手順
カウンセリング:お客様の潜在ニーズを引き出す質問リスト・説明資料
集客:こちらの都合で顧客数をコントロールする集客手法・分析方法
求人:価値観に共感してくれるトレーナーを集める冊子
教育:未経験でも現場に出せるレベルに引き上げる手引書
これらは、僕の頭の中にある「感覚」ではありません。すべてを文字にして、スタッフがいつでも検索・閲覧できる状態にしています。
「背中を見て覚えろ」は、教える側の怠慢です。
マニュアルで100点を目指さない
ただ、ここで一つ大事なことがあります。
マニュアルで100点を目指さないということです。
よく「マニュアル通りにやれば完璧」という考え方がありますが、僕はそれを目指しませんでした。
なぜなら人は、マニュアルを超えられるからです。
マニュアルで100点を目指すと、「マニュアル通りにやればOK」という思考停止が生まれます。そうすると、トレーナーの成長が止まります。
だから、マニュアルの役割を「最低限の質を担保するもの」と定義しました。
僕の中では「マニュアルは60点を担保するもの」と考えています。
マニュアル通りにやれば、確実にお客様に価値を届けられる。でも、それはゴールじゃない。60点を70点、80点にしていくのは、トレーナー個人の力です。
この設計にしたことで、「マニュアルがあるから考えなくていい」ではなく、「マニュアルがあるから、その先を考えられる」というチームになりました。
正直に言うと、マニュアルは数えきれないほど改訂しています。大きなアップデートだけでも数回。つい1ヶ月前には、ボリュームが倍になるくらいの大型改訂をしました。
マニュアルは、完成するものではなく、常にアップデートし続けるものだと考えています。
だからウチには、カリスマトレーナーはいりません。「仕組みを使いこなせる人」がいれば、ジムは回ります。
仕組み②:「24時間ジム」という財務の仕組み

次に、理念を守るための「お金(財務)」の仕組みです。
前回の記事でも触れましたが、パーソナルジム単体では、スタッフに高待遇を用意することは構造的に困難です。
パーソナルだけでは、給料を固定できない
パーソナルジムの売上は、どうしても変動します。
お客様が増えれば売上は上がる。でも、減れば下がる。
うちは卒業前提でやっているので、お客様が減るのは想定内です。でも、それは同時に、売上が減ることも意味します。
もし僕が一人でやっているなら、それでも問題ありません。売上が減ったら、自分の給料を減らせばいいだけです。
でも、スタッフを雇うとなると話が変わります。
スタッフには、毎月安定した給料を払わないといけない。売上が減ったから「今月は給料減らします」なんて、できません。
つまり、パーソナルジムの売上だけでは、固定の人件費の金額を決めるのが難しいのです。
「売るプレッシャー」からの解放
通常、パーソナルジムのトレーナーは「来月の売上」を作るために、既存客への延長提案や物販に追われます。
でも、ウチではその形は作りたくありませんでした。本来必要ない商品やサービスをお客様に提案するのは嫌だからです。
そこで僕が組み込んだのが、「24時間ジム(別拠点)」という財務エンジンです。
固定費(人件費・家賃) ⇨ 24時間ジムの会費収益(安定財源)でカバーする。
パーソナル売上 ⇨ 利益・ボーナス(積み上げ財源)にする。
具体的にはこういう考え方でやっています。
トレーナー1人を雇うのに、月いくら必要か計算する。例えば、月25万円の給料を払うとします。社会保険や諸経費を含めると、月30万円くらい必要になります。
24時間ジムの事業で、その金額を確保する。
24時間ジムでトレーナーの給料をカバーできたら、パーソナルジムの売上は余剰資金となります。
この「財務の仕組み」があるからこそ、スタッフは「売るためのトーク」ではなく、「お客様の結果を出すための指導」に100%集中できます。
結果として、顧客満足度が上がり、LTV(生涯顧客単価)が自然と伸びる。
精神論ではなく、「ビジネスモデル」がスタッフの精神衛生と生活を守っているのです。
「固く安全にやる」という設計思想
この設計の根底にあるのは、「固く安全にやりたい」という思想です。
パーソナルジムだけで勝負すると、売上が変動した時にすぐ行き詰まる。でも、24時間ジムという安定収入があれば、パーソナルジムで多少失敗しても大丈夫。
試行錯誤する余裕が生まれます。
そして、この余裕があるからこそ、スタッフと一緒に試行錯誤できるんです。「今月売上が悪かったから、あなたの給料減らします」なんてことにはなりません。
安定した給料を払いながら、一緒に仕組みを作っていける。それが、僕がやりたいことです。
仕組み③:「独立」を前提としたキャリアパス

最後は、人の問題です。
優秀な人ほど辞めていく、というジレンマ
パーソナルジム経営に必要な能力は、大きく3つに分けられます。
- 顧客対応:トレーナーとしての技術。どう教えるか、どう接するか。
- 集客:お客様にどう知ってもらうか。広告、口コミ、SNS。
- 事務方:経理、資金繰り、予約管理、システム運用。
ここで気づいたことがあります。
この3つのうち、2つ以上できるようになると、独立という選択肢が見えてくるんです。
特にスタッフにお任せするのは「顧客対応」の部分です。そして、そこにプラスして「集客」ができるようになったら、自分でお客様を獲得できて、自分で教えることができる。あとは事務処理さえなんとかすれば、一人でも回せる。
「じゃあ自分でやってみよう」となるのは、自然な流れだと思います。
さらに言えば、優秀であれば優秀であるほど、この確率は高くなります。
結果、組織にとって一番必要な人材が、一番辞めていく。このジレンマに何度も直面してきました。
逆転の発想:「どうせ独立するなら、ウチの仕組みを持って行け」
優秀なスタッフほど、いつかは「自分の城(ジム)」を持ちたいと考え、辞めていきます。これを止めることはできません。
だから僕は、逆転の発想をしました。
「どうせ独立するなら、ウチの仕組み(OS)を持って行け」と。
ウチのジムで働き、マニュアルを習得し、経営の数字も理解したスタッフには、将来的に「暖簾分け(フランチャイズ)」として独立する道を用意しています。
ゼロから自分で集客や物件探しに苦労するより、成功確率の高い「ウチの仕組み」を使って開業する。本部は、信頼できるパートナー(元スタッフ)が増え、ブランドが拡大する。
これなら、独立は「裏切り」ではなく「卒業・提携」になります。
「一生雇用」にこだわらず、「経営者育成機関」として機能させることで、野心のある優秀な人材が集まり続けるサイクルを作りたいと考えています。
みんなが独立したいわけではない
ただ、ここで一つ大事なことがあります。
みんながみんな、独立したいわけではないということです。
確かに、キャリアを積んで独立したい人もいます。そういう人にとっては、全部学べる環境は最高だと思います。
でも、それ以上に「プライベートと仕事のバランスを取りながら、安定して働きたい」という人の方が多いんじゃないかと思っています。
こういう考え方の人には、集客の部分はこちらで担当してあげて、本当にお客様に対して教えるというところに特化してもらう。それ以上のポジションを求める方が出てきたら、管理職のようなポジションをやってもらう。
そうすれば、お互い幸せになれるのではないかと考えています。
だから、うちでは「独立志向の人」も「安定志向の人」も、それぞれのポジションを用意しています。
まとめ:うちのジムのやり方に興味がある方へ

理念と仕組みの両輪が揃って、始めて地方でも生き残れるジムになると考えています。
理念なき仕組みは凶器であり、仕組みなき理念は無力です。
もしあなたが、
「現場を離れて経営に回りたいが、任せられる人がいない」
「スタッフが育たず、サービスの質が安定しない」
「これから作るジムを、最初から『組織』として設計したい」
そう考えているなら、僕のジム(マニュアル・事業計画・収支モデル)を見に来てください。
前回の記事で紹介した「開業実録ログ」の中にも、これらの仕組みづくりのヒントが詰まっています。
まずはLINEに登録し、資料を受け取ってください。
そして、もし必要であれば、あなたのジムにうちの仕組みをインストールする手伝いもさせてください。
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